一歩。

今更だが、離婚した時に私は旧姓に戻していない。
特に理由はないのだが、全部変えるのは「面倒」だったというのが最大の理由だったと思う。
にょきちの学校の転入手続きも終了していたというのも理由のひとつだったと思う。


しかし、この間実家の親がたろうの面倒を見に来てくれた時にたまたま話がでた。
旧姓に戻ろうかと思う。それは前から薄々と思っていた。
タイミング的ににょきちが中学に入る前がいいのかと思う。



そんな話をにょきちにした。
ちょうど夕食が終わって、私が洗ったものをにょきちが片付けてくれていた時だった。
にょきちは私が改姓する事をきっと喜んでくれるに違いない。

「ねー、苗字をおかんの結婚前の苗字に戻そうかなぁと思って」

「えーーーー」

「あ？嫌だった？？」

「嫌じゃないよ～～～ねー。いつー？明日～？」



やはりにょきちは賛成派か・・・・。
「いや。明日とかじゃなくてさ・・・。ほら、突然苗字が変わったら友達もびっくりしちゃうでしょ？？」
「えー。別にいいよ。ウチはどっちにしてもお父さんがいないなんだから。」


実は今の姓には動物名が入っている。
犬とか猫とかそんな可愛らしい動物でもない。
鷹とか鷲とかのかっこいい名前が入っている訳でもない。
馬とかでもない。
なので、にょきちは学校で苗字について馬鹿にされている事がある。
知らない上級生にまで「○○だってさ。ぷっ」みたいな感じだ。
もちろん同級生には
「○○のくせに～」
という具合で冷やかされている。


この姓に関しては私も嫌だ。
珍しいのだ。ただ珍しいだけじゃなく、動物なのだ。ものすごく嫌だ。
元ダンナから名前を聞いたときに「そんな苗字あるんか？？？」とちょっと引いた。
まさか自分がその動物名を名乗るとはその時は全く思わなかったのに・・・。
子供は正直で残酷な生き物である。
にょきちが間違いなく冷やかされるのは目に見えている。そして傷付くのだ。



早く改姓してしまう方がいいのか・・・・。
うーん。悩む