少年倶楽部1941年12月号より、
第二次大戦中の日本では
『献納』と称して各家庭からの金属の供出がひんぱんに行われたようです。
こちらは主婦之友1941年12月号
『ハナ子さん』シリーズ。
町内会で、鉄の回収に余念ないハナ子さんとお父さん。
時代をものがたる、貴重な資料。
『先祖伝来の刀、兵隊さんにあげてください』
『これがみんな軍艦や戦車になるんだぞッ』
『これ茶釜や、お国のために大砲の弾にバケとくれな』
『さらばじゃさらばじゃ』
『まるで文福茶釜だね』
『二宮金次郎さんも本望でしょう』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ユーモラスに表現されていますが
(実際にこんな感じだったのかな?)
軍事物資の資源が枯渇して
一般家庭の鍋釜フライパン、おもちゃに置物やミシン
まで供出させられること自体、
勝ち目の無い無謀な戦争に
呑み込まれている証明
になってしまっていますが(泣)、
当時のみなさんの真摯なおこない
を誰が批判できましょうか。
あるいはうすうす(この戦争は危うい、日本は負ける)
と気づいていたかたも決して少なくなかったのでしょうが
渦中にあると大勢に物申せなくなる
(自身や家族に身の危険がおよぶ)
のが、時流のおそろしさ。
この対米戦争からさかのぼること約80年
の
幕末の日本では、
京都の治安維持の名目で佐幕のため
『浪士組』(『新選組』の前身)
が結成されました。
映画にドラマに、小説やコミックに
いまも人気衰えぬ新選組、
私も御多分に洩れず(笑)『新選組』ファンですが
幕命による都の守備警護にあたる者
百姓や町人、無頼の徒にいたるまで
身分如何をとわず
士分にとりたてる
・・・発想からして
幕府がもうどうしようもない事態となっていることの
告白ともとれますが、
にもかかわらず
『武士』として命を散らした方々
は後世の読者をも感動にさそいます。
そして。
遠い昔のエピソード
で終わるものではなく。
現在もまた
同様なこと(規模の大小や深刻さをとわず)
は多々くりかえされている
危機の渦中にあること
を、自覚せねばなりませんね。
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