台風の日のパニック 後編
そこには・・・なんと、スズメバチ!!心拍数はまるでフェラーリのF1エンジン。でもここで騒いでハチを刺激してはいけない。。。「ぶ~ん」いや~な羽音と共に、窓際を行ったり来たりするスズメバチ。最近の電車は窓が開かない。推理小説並みの見事な密室状態。ワタシも含めた人々の、最大限の緊張感を伴ったパニック状態でおよそ2駅を通過した辺りで3人組で乗車していたオジサンが雑誌を丸めて叩き落とすと言い出した。パッと見、デブである。が、自称 剣道7段だそうである(きっと違う)イチローの打率とかそういったレベルではなく、ここでは10割が求められる。外したり、一撃で仕留められなかった場合には・・・賛否両論の鋭い視線が、丸められた日週刊ダイヤモンドに注がれ・・・ バンッ!!スズメバチは窓からスルスルと滑り落ち、足をヒクヒクさせているものの、完全に戦闘能力は失われていた。 ヒーロー誕生の瞬間だ!!拍手が巻き起こり、隣にいた女性からの熱い抱擁!・・・などというものは特に無く、でも「よくやった!」の視線がオジサンを称え、安堵の空気が車内に満ちたのでした。おしまい