4,6,7番打者は長打率、その他は出塁率(打順ごと補正OPS)
この前書きましたが、OPS=出塁率+長打率です。先発野手の打順ごとに、OPSと得点の相関を見たところ、相関が強い打順、弱い打順がありました。では、このOPSの出塁率、長打率の「寄与率」は、打順ごとにどうなっているのか?OPS=1×出塁率+1×長打率、とも書けます。OPS=x×出塁率+y×長打率で、x=y=1、と表すこともできます。では、x,yの値を,x+y=2の範囲内で動かすことで、「補正OPS」という形で、最も相関のR^2の値が1に近づく組み合わせのx,yをエクセルのソルバーに計算させました。その結果が、こちらです。これによって明らかになったのは、・得点に対し、長打率の方が寄与率が大きい打順 →4,6,7番・得点に対し、出塁率の方が寄与率が大きい打順 →1,2,3,5,8,9番と分類されました。特に注目なのが4番打者。y=2がもっともR^2が大きくなる、ということで、OPSで見るよりも、長打率のみで見た方が得点への相関が高く表せる、ということになります。そして、一概にOPSの高い選手をランダムで起用するのではなく、長打率、出塁率に応じて、得点に結びつきやすい打順が存在する、ということが言えるかと思います。(といっても、2011-2017の7年間のパリーグ6球団、高々n=42での解析ですので、 精度をツッコまれると、何とも言えませんが)---この補正OPSの考え方で計算した、先発打者の得点見積値と実際の先発打者の得点の値を比較したのが、以下です。↓各チームの、打順ごと補正OPS↓打順ごとの見積得点地、合計値と実際の値の比較この「補正OPS」の考え方を導入することによって、傾きが1.65→1.60に縮まり(本来なら見積と合計値が等価になるはずなので、1になるのが理想)相関係数R^2も0.92→0.95に高めることができました。ですので、OPSで整理するよりも、この補正OPSで整理する方がより(といってもわずかですが)得点の見積値が正確になる、ということが言えます。---さて、ここまでできましたので、あとは、打順ごとに、求められる特性(長打率重視?出塁率重視?)が分かりましたので、'17年のオリックスの選手の打者のデータから、どういった打順で起用すれば、より多くの得点が見積もられるのか、が計算できます。というか、それを計算したいがために、ここまでウダウダ数字で遊んできました。OPSがそこまで低くないにも関わらず、Bsの得点が低い、それは、打者の打順起用が適切でないからでは?という考えがあったからです。---その計算結果に関しては、また後日書きます。