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CASA DE SATCH UMINO

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Aug 17, 2004
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カテゴリ:移動する話
男鹿行きは朝の天気で決めた。
地元NHKが朝の7時の男鹿を映していた。気温19度とかなんとか。もう行くしかないね。生で19度の気温に身を置けるのはこの先いつになることやら。東京さもどったら暫くそんな身分じゃなくなるのはわかってるしなぁ。よっしゃ。行くもんね。

一泊の予定だったところを2泊にします、って連絡したら先に払えってんでへいへい。身支度整えてお支払い。これからベッドメイキングのお仕事に入るおばちゃんたちと数回すれ違う。「おはようございます」こちらも思わず、挨拶運動励行中になる。でもこういう小さな瞬間の積み重ねが大事だよね、ホテルの印象って。
ほんとはかなり朝早く目が覚めた。
5時には起きてしまい、冷蔵庫になにもないので服着て1階のコンビニへ調達へ。朝6時にはロビーでおばちゃんがサービスのおにぎりを準備している。早いなぁ。えらいなあ。
秋田のおばちゃんの働きっぷりは見ていて気持ちがいい。
どんな神さまでもいいから、彼女たちの「はたらきもの」な様子を見ていてほしいもんだ。

さて。
くそ重い500ELXをかばんにつっこんで(そんな軽量な表現ではいかんなぁ・・・”何とか収めて”が正しいかも)、予備フィルムと手ぬぐい一本(この日は豆絞りのやつ)。あと日焼け止めとbanque de franceの麻小銭袋で作った帽子。それから、時刻表。東北のとこだけ破っておけばいいのにまるごと一冊。

午前10時のはじめのに乗る。
いきなり晴れている。バキっと音がきこえそうなくらい。
乗っているのは夏休みらしい家族連れが中心。
反抗期の不細工な高校生娘と、よく似た顔で困ってる母親。彼女は何に怒っているのだろう。母親の持つ紙袋がちょっとフトモモをかすっただけでもぶつくさ言っている。母親はやれやれ、と困り飽きているみたい。時々娘はでかい折りたたみの鏡を取り出して自分のお顔をしばし眺める。(たのしいのか?)いきなり眉毛を整えだす。(おいおい、眉毛以外も整えなさい、キミぃ)

こんな車内である。
気が抜けてうれしくなる。
女子高生を見ててもしょうがないので路線図を見る。
折しも追分駅につくところ。
どうしよう。
こっから能代へ行ける。
いいや、おりちゃえ。
真冬の真っ白だった能代の記憶しかないから。夏のも見ておこう。

数分後乗り継ぎ。
いきなり平野が開ける。
空の青と田んぼの緑と威勢のいい雲が気前よく出ている。
電車の窓にはそれだけ。Franco Fontanaの撮る風景みたい。
東能代までずっとこの風景。

ひがしのしろで下車。
それ以上先にいくと、男鹿に戻れなくなりそうで。

車内から出るといきなり空気が違う。
秋田市内ともちがう、もっと乾いて冷たい風。
脈絡なく駅前を歩いてみる。
駅でて少しするといきなり「市街地→」の表示。
しかし、なにもないじゃないか。
やっぱり能代まで行くべきだったかしらん。
ぶらぶらしてから駅前の薬の量販店か?とおぼしき店でお茶を調達に入る。しかし中はスーパーマーケットだった。お昼ごはんの材料を買いに来てるおばちゃんに混じって物色。
どうもここを逃すと食品を買うことはできなそうだな、と思い見るからにおばちゃんが握った風のおにぎりを買う。のりと焼き、どっちもシャケ。持つとずっしり重い。相当握力ある人が握ったみたい。
これを購入し、またもや駅舎へ。
ほかに座れる場所がないので。
お昼のニュースを見ながらほお張る。
これまた飯のあんばいのいいこと。いや、米がいいのよ。
中のシャケも脂のってていいかんじ。
シャケの焼きおにぎりって初めてだったけどなかなかいい。
その店でも「焼き」のほうが売れてるみたいだった。

お茶におにぎり、遠足の王道をいく行動。
まわりの人々の会話もきこえてくる。
しかし!
後ろの夫婦の会話がききとれない。
内容、というより音として。
彼らは五能線にのっていった。
まだまだ耳の経験不足だなぁとごはんをもぐもぐしつつ思う。

東能代の「市街地」。
「ルパン三世」っていうパブだかスナックみたいのがあるのだけど、「警察官立ち寄り所」の看板がある。この店の名前にして立ち寄り所。それは出来すぎというもの。
ともかく、人とすれ違わない町。

またもや秋田行に乗る。
追分駅で向かい側にくる男鹿線に乗り換え。
今度は高校生8割。登校日かな。
聞こえてくる話がまたいい。
親に内緒で仙台に行く計画を立てる女子高生。
行ったらどこで何を見て買うか、算段を整えている。
カワイイじゃないか!
秋田の駅前もけっこう都会してるけど、それだけじゃいやなのね。towerrecordもあるし、ヴィレッジバンガードもあるのに。

終点まで乗ってる人はあまりいない。
精算してバス乗り場を見れば、「入道崎」の文字が!
時刻もなにも確認せずに飛び乗る。

しかし。まあ。
この路線バス・・・。
ものすごい山道を平気な顔でどんどん走るのよ。しかももう1時間は乗ってるんだけど、まだ「入道崎」って単語ひとつ出てこない。しかし、途中で降りるわけにゃいかんし。まぁ、何とかなるでしょ。
知らない場所にいきなりバスで行く、こういうテンションは去年のBiobao-Logrono路線バスを思わせる。言わずと知れたスペインの田舎バス。乗るのはみんな地元の人。太陽の鋭さもかの地に近いぞ、男鹿!

そのうち「詐欺・催眠商法禁止地域」という看板があっちこっちに目に付く。あ、見覚えある場所。ここは正月明けにやった地吹雪ツアーで通ったとこだ。「”止まるはず”老いの甘えが死をまねく」などというオソロピー交通標語が架かってるとこだ。なんだか、言葉選びがどれも荒っぽいなあ。

さて、やっと「にゅーどーざき」などとアナウンスが入る。
バスの運ちゃんに「そのまま整理券もってあっちのバスへ乗り換えて!」とせかされる。さすがに心配になり「あのぅ、終バスありますよねぇ」「じゅーななじまであるから、大丈夫!はい乗り換えてっ」
途中の渋滞でバスちょっと急ぎ気味。
ろくに調べもせずにきておいて、おろおろする方がおかしいよね。向かいのバスに乗り換え。2名しか乗り換えず。

さらに山の道をぐいーんと登る。
右に日本海といい雲が見えてきた。
これを見たら終バスのことなんか、気にならなくなった。
これがみたかったんだもんね。

結局最後まで乗ってたのはわたしだけ。
しかし。ここってタクシーなんかもぜんぜんいないのね。
「終バスって・・」
「17時44分。これを逃したら後ないからね、気をつけて」

正月明けの荒れまくりの天候のとき以来だ。入道崎。
風の強さはあいかわらず。
ちょうど日が沈みかかる時間帯。けっこう人はきてる。
観光バスツアーのおそろいバッジの人々や、ツーリングの二人。灯台のある丘で強風の中寝転ぶ二人。
黒い岩の手前ではじける波の色がいい。
少しシアンの入ったエメラルドグリーン。
日本海の色は見るたびいつも違う。風の強さに負けそうになりながら、なんとか写真機を取りだして何枚か撮る。(こういうときに確かにいいね、モータードライブって。)

撮るほうに集中すると、場所全体を把握するのを忘れがち。
空気とか、においとかのフィルムに「感光」しない部分。
写真機はしまってただ座って見ることにする。
バスツアーのおばちゃんがEOSの安いのか何かぶら下げてガンガン撮り歩いてる。確かに、雲は多いけどさ。
「ここってー、普段からこういう天気なのかしらー?」おばちゃん、終バスを運転してきた運ちゃんをつかまえて不満げに訊いている。
「んー、んだねぁ」彼は毎日、この風景を運転席から眺めているのだろう。それはわたしからすればとても贅沢。でも、彼はあの山道をどんな天候でも毎日走ってるわけで。いい風景くらい、おまけについてなきゃ。

おばちゃんもカメラしまってゆっくりしてみたらいいのに。
集合時間までに何かしなくっちゃ!って思うのかもしれない。

結局、寒さに負けて(こんなに涼しいとは・・)最後の10分はバスから眺める。おみやげは「男鹿の藻塩」。






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Last updated  Aug 18, 2004 09:22:29 PM
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 satchumino@ Re[1]:ぴー&ぷー(11/01) 木枯らし1号カウントされてからのほーが…
 satchumino@ Re[1]:交差点(11/03) うん、多分この場所っていつもこうなんだ…
 ぺんじ@ Re:交差点 空の交差点、きれいだね。 長野の方は、ア…
 ぺんじ@ Re:ぴー&ぷー きれいな色。 木枯らしふいてから、紅葉す…

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