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カテゴリ:移動する話
あまりの低気圧とついでにちょっと扁桃腺炎の気配がしたので昨日は仕事休み。ついに低気圧負けかぁ。いや、無理してもいいことなさそな日でしたので。
TVをつけると「オイ、いいのか!?」というようなLIVE映像が各地から流れてくる。 10年ほど前のキューバで見たTV映像もこんなんだった。 自然災害、事故、etcあらゆる天災人災の映像(しかも北米のばっか)を新旧取り混ぜえんえんと市民のごはん時間に流していた。しかもその時間、「停電」「停ガス」「断水」が順繰りにあってごはん時間なのにごはんにならない。だもんでお昼にいれたコーヒー甘くしてちびちびやりつつこれを鑑賞することになる。ハバナから出て行った友人の姉宅で、彼女とその夫と3人でロッキングチェアで足をぶらぶらさせながらながめた。あれはなんとも不思議な時間であった。 1994年。「特別な期間」とか呼ばれたのだったか。 ホテルに滞在するわたくしどもも、朝は「めだまやき一個」だった。前の年はゆでたまごもって行き放題だったのに。席に座ると奥の厨房から制服を着たムラータのおばちゃんがめだまやきひとつうやうやしく運んでくる。 「あのぅ、おかわりはありますか」 「ないわよ。一人にひとつだけなの」 寂しそうにしかも毅然ときっぱりとおばちゃんは答えた。 市民ひとり、一週間に卵ひとつ当たったかどうかっていう時期だったのだから仕方ない。 こちらも大事に、大事におはしで少しずつ食べた。 あとになって、この年にいたんだよ。という話をキューバから留学してる女の子にした。「え、あの時期に、観光!!よくきたわねぇ!!」それからあの「特別な期間」の話で盛り上がり、いっきに距離が縮まる思いがした。それがヘヴィであればあるほどなおのこと。空気はあいかわらず蒸し暑いのに、街にたたずむ人は冷え冷えしていた。友人たちは脂っ気が抜けてやつれていたのに、ガスが使える時間になるとごはんをふるまってくれた。食後に一緒に食べた硬いパイナップルはそれでもとても甘かった。道で涼んでる中学生に水飲みたいよぅっていうとうちに連れてってくれて、そこんちのオカアちゃんが冷蔵庫の水をコップいっぱい飲ませてくれた。何人かの人にドルショップでの買い物をたのまれ、帰りに郵便を託された。明らかにたくさん食べてて脂っ気もある外国人のわたしにも、同じようにふるまってくれる人々。(あんたなら2.3日食わなくても大丈夫じゃないのっていわれりゃハハそーですねって答えるほかないだろう、なのに。)もちろん、彼らができないことはわたしが手伝う。このとき「観光」よりもいいものを持って帰ったと思う。いくつか。 (リゾートを期待する人なら、ひでー目に遭ったよっていうかなぁ。) 閑話休題。 オイ、いいのか!は日本の出来事である。現在の。 低気圧でまいっちゃってぇなんて布団に入ってるわたしは安全圏にいるのだった。何か申し訳ない気持ちがする。自然現象の前には人なんてまことにかよわいものだ。こういう気候が続くと「んもー」ってな気分にもなりがちだが、天候が人に合わせてるのではなく、人が何とか順応しているだけなんだっていう思いに達する。 本を読む根性が出なかったので考え事ばかり。 来月「帰郷」するキューバの空気やらセントロの商店街で知り合いにばったり会う瞬間なんかを思う。そこらに落ちてる果物の皮のずるっとしたのとか、犬の糞とか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 21, 2004 07:25:57 PM
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