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カテゴリ:古本じまん
さーて、暮れも押し迫ったどんづまりの12月23日よりとーほぐへ行っておりました。ネット接続なんぞ考えねぇぜ、っていう環境と雪の量で。
だもんで、いまごろ報告。 とーほぐで古本めぐり、てぇと私にはここのことなのだ。 鶴岡の「阿部久書店」・・レシートに”新刊と古書”と印刷してあるが 最近は”新刊も古書”でえーのではないか、というくらい古書率が高い。 (ほんとは、一階の文庫コーナーには「えい出版」の藤田一咲氏の「パリ散歩の時間」だって、おいてあるのだ。 店舗の規模に合わない品揃え!それをまんづ、味わう。) なにせ、ここは”古いものから売れていく”とこなのだ。 入り口を過ぎていきなり「二階」へああがるのが正しい店の利用法。 もちろん、レジ周辺には観光客(わたしもその一人ではある)が喜ぶ藤沢周平関連の印刷物(地図もあるからこう言ってみた)などもある。 しかーし、われわれはストレートに二階を目指す。 だって。すごいんだもん。 おおっというような本がどどっとある。 何があるかわからず、たまに(半年に一回くらい・・これでも行き過ぎである)行くからなおさらスリリング。なんとなく棚を流せばそこはかとないジャンル分けが読めてくる。ハウスダストがアレルゲンである人は、長時間の滞在はちょっときびしいかしらん。(わたしは平気だ) 今回はこんなかんじ。 「日本人モラエス」花野富蔵著(版元どこだったっけ)昭和14年あたり刊 500円 以前この人の本を見つけて騒いだ日記をかいていたと思う。 「極東遊記」ってやつ。このときも500円だったっけ。 「サウダーデの男」っていう最近の評伝もあり。 「マイナス・ゼロ」 「ツィス」....広瀬正全集の一部。 函入り 背ヤケ有 500円 あ、また「目録」みたいになってきた。 日本の空想科学小説家では一番好きなひと。 バンドマンだったってとこもいいのよね。 実は庄内で何度も広瀬正を見つけて、そのたびに買っている。はは、何やってんだか。 でも、なかなか全集にはならない。今回のには別冊の「月報」がはいってない。ちょっと、残念。 次は、お向かいの「月の山書房」へ。 何か強烈にシャイでいつもやけっぱちな店主で、破天荒そうでしっかり客の顔はおぼえている。 店に入って物色60秒で「おぉ、新しい目録できたからのぉ」(あ、やっぱし覚えてた、このオヤジ) 番台には8割くらい入っている焼酎のびん。 「え、もう始めるんですか!」 たぶんそのびんは昨日もおとといもそこに居たのだろう。 番台の下には木箱。そこにビールのあきかんがきちんと半ダースほど並んでいる。散乱してたら確かにここは「大学の部室」みたいになっちゃうもんな。一応、お店だし。 オヤジは頭をかきながら「いつもは7時からって決めてるけどの、雪もふってきたしの」などと理由をつくりはじめている。そうしているうちにお友達が来訪。もう始めるつもりだろう。お友達が「あと30分待ってたらの、この人飲んでわけわかんなくて”えーい、もってけ~”て言い出すからの」とありがたいアドバイスを下さる。 そうか、”もってけ~”はそんなに有名だったのか。 爆笑。 100円棚から松本零士の古い文庫がぞろぞろ。 「ガンフロンティア」持ってなかった気がする。買い。 「ぉお、そういえば、ポスターもあってのぉ」 一体何かと思えば「大四畳半物語」の映画ポスター。 なんだって、こんなもん・・・そうか、「鶴岡座」か。 もっとこの町の奥まったとこに、そう、ジャズ喫茶の”DECCA"よりもっと先に、そういう映画館があったらしい。 わたしも「跡」の建築しか知らない。 もう何年も前から閉まっているけど、たぶんあそこにはいい ポスターあんべって狙ってた人がけっこういたんだそうだ。 で、われらが月の山オヤジがめでたく一山ゲット。 70年代の赤面しそうな邦画のポスター、わりにいい状態で そのまま店頭に野ざらし。こういうやけっぱちなとこが、好きなのよ。 ついでに「アメリカの鱒釣り」R.ブローティガンも発見。 とても売れた本のはずなのに。なぜか、なかなか見つからなかった一冊。 庄内の果てでやっと出会えた。 オヤジ、ブローティガンは300円にしてしまった。 大四畳半は500円。 なんだかんだほかにも買って1500円。 あと30分でやってくるという「え~い、もってけ!」”happy hour"を待つのもいいけれど、 このやけっぱちぶりだと春になったら店がない、なんてことにもなりかねん。 この魅力的な空間の存続のためにもここはあえてお金をおいていがねば。好きな場所は投資してでも維持したいからだ。 この場所にくるために、4本も在来線を乗り継ぎ、太平洋側の東北圏内から5時間はゆうにかかる場所。 ここでゴタクを並べてうだうだいいつつ、「おぉ!」といいつつ本をいじるたのしみ。 (ついていけねぇって人も、多そうですが。) この二軒に来ただけでも、わたくし(たち)の庄内訪問の目的は6割達成されたようなものだ。 シャーベット状の雪をよろよろとふみながら、また来た道をもどる。 そうそう、腹ごしらえに入った若者向け(?)のカフェーで食べた「なっとうめんたいこ」スパゲティの横には、「たくあん」が添えてあった、と報告しておこう。 意外と、うまいもんだす。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 5, 2005 08:38:06 PM
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