|
カテゴリ:本のはなしの巻
初めて私より年下の作家さんを読んだ、と思う。
「子供たち怒る怒る怒る」というタイトルの本。 図書館で、目にとまって手にとってみました。 佐藤友哉、という作家で、帯を読んだら(市の図書館の本、帯は中表紙に貼ってあります) メフィスト賞というのを受賞している人だそうな。 この賞も、メフィストという小説雑誌のことも知らなかった勉強不足な私ですが 手にとったのも何かの縁かな、と思ってそのまま借りてきました。 で。佐藤友哉。1980年生まれ。昭和55年生ですよ。 もう、この世代が小説家として活躍していることにまずビックリです。 中味は短編集。どれもこれも残虐でゲンナリします。 デスノートくずれの様な話もあるし、子供たちが突然、意味もなく銃を乱射する話もあるし イジメの話もあるし。まさに現代小説。いや、小説というには、残虐さが前面に出すぎかな。 自分以外の存在を認めない、なんて言葉があったりして、これって、まさに今の子供たちかも・・・・。 ちょうど、イジメ問題で子供たちが命を絶っているニュースが続いている時期に読んだからか いじめられている子供たちの中には、相手をズタズタに切り裂いて、殺してしまいたい。 と思っている子も少なくないと思うけど、その頭の中で考えている残虐的な光景と恨みが そのまま文章になって吐き出されたという印象を受けました。 自殺問題がクローズアップされている今、あまりにもタイムリーな時期に読んでしまった。 問題を投げかけているわけでも、ストーリーの先に救いがあるわけでもなくて ただただ言葉を吐露したというか・・・・。 物語に自分が入り込んでしまって辛い想いをする・・・という本はしょっちゅうあるけど これは、そういうのとはちょっと、いや、かなり違う。 でも、世の中なんてどうでもよくて、親なんて関係なくて、相手のことなんて思いやれなくて いつかドカンと全部なくなってしまえ、みたいに思っている子供たちがいるのは現実かも。 そういうことを感じる本ではあります。 次回作が出ても、もう手にはとらないかもな・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本のはなしの巻] カテゴリの最新記事
|