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二代目のお嫁さんなり

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2007年10月15日
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カテゴリ:本のはなしの巻
図書館で本を借りる時に、小説のほかにノンフィクションか医療関係の本を借りたくなります。
今回、その一冊が「弟を殺した彼と、僕」という本。
半田保険金殺人で、末弟を殺されてしまった原田正治さんの壮絶な想いにあふれた手記です。

交通事故で死んだと思っていた弟が、実は雇い主だった長谷川死刑囚に事故を装って殺された事件。
家族は、事故を起こしトラックを廃車にし、会社に迷惑をかけて死んだ・・・と思っていたのに
雇い主の長谷川死刑囚は、残された家族に親身になって接し、事故現場にも案内する。
著者は、年齢も近い長谷川死刑囚を「長谷川君」と呼び、親しい仲になっていたのに、
突如、他の殺人事件から弟の事件が殺人事件と発覚し、死後1年以上も経って
「殺人でした。犯人は長谷川です。多額の保険金がかかっていました」と。

本の中で、原田氏は死刑囚の事をずっと「長谷川君」と書きつづけています。
憎くて憎くてどうしようもない相手。ですが、だからと言って呼び捨てにすることで
怒りも喪失感も失せないし、弟さんが戻ってくるわけでもない、という心情。

死刑になって当然、と思っていた原田氏ですが、本当は「長谷川君」には生きて
ずっとずっと、謝罪しつづけてほしいという気持ちに変化していきます。

遺族として、犯人である長谷川死刑囚に面会した異例のケースだったとか。
弟を惨殺されたにも関わらず、その後、死刑廃止運動にも参加していく原田氏。

多くの事件の中には「被害者の事を考えると、死刑しかないよ」と思う事もあるけれど
この本を読むと、死刑になったからといって何も解決はしないという事を感じます。
もちろん死刑という判決になって、救われる想いもあるでしょうし、
そんなことでは救われない想い、というのもあって、それは被害者一人一人が違うと思います。

殺人も死刑も、その死は全く異なるものだけれど、どちらも人の手によって行われる事。
原田氏は「人の死に、人間が関わってはいけないのではないか」という事を書いています。
これって、たぶん本質。天寿って言葉の意味をいろいろ考えたりした。

原田氏は、長谷川死刑囚への面会と、生きて会って、謝罪しつづけてほしいと思っていたけれど
その想いは届かず、死刑は執行されてしまいました。

死刑が執行されても弟さんは戻ってこないし、喪失感は埋まらない。

殺人事件がしょっちゅうあって、その事件の数だけ遺族がいるんだよね。
そんなアタリマエの事が見えなくなっていた自分に、ちょっと焦ってしまった・・・。

死刑がいいか悪いか、廃止すべきかそうでないか。
それは、今の私に結論はでないけれど、遺族って全てが同じ想いをしているわけじゃない。

犯人に直接聞きたいのは「どうして私の家族だったのですか」という問い。
それは、裁判では明らかにならないんでしょうね。
面会したとはいえ、その問いを犯人には直接言うことができなかった原田氏。

いろんな想いにあふれて、その気持ちや生活の変化を丹念に綴ったこの本は
小説らしいストーリー性はちっともないけれど、だからこそ強く伝わる想いがあります。

死んで詫びるっていう言葉があるけど、死んで詫びれたり償えたりすることなんて
この世の中には一つもないのかもしれません。








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最終更新日  2007年10月15日 18時44分22秒
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