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カテゴリ:本のはなしの巻
妻への詫び状、という本を読みました。
定年を控えた夫が、妻へ書いた「詫び状」だそうです。 日経トレンディの企画が、予想以上に多くの「詫び状」が届いて本になったそうです。 で、詫び状。 日本の高度成長期に昼も夜もなく仕事して、家庭をかえりみなかった夫の皆さん。 妻に家庭のことも子供のことも任せっぱなしで、養ってやってるオーラいっぱいの 旦那さんたちが定年間近になって、これまでの多忙ぶり、放ったらかしぶりを詫びて、 定年になったら、二人でのんびり旅行でもしてゆっくりと老後を過ごしていこう。 ってなことがだいたい書いてありました。 いや~~、そう書くと美談のように見えるけれど、 んんん? 中にはちょっと都合よすぎないか?っていうのもあって。 はぁ? あんたバカ? と思うような詫び状もあったりして。 でも、この本の面白いところは「妻からの返事」というのがあるところ。 子供が手を離れ、旦那も働き盛りで時間もある妻たちは、お友達の輪を広げ、趣味を作り 「家のことばかり」の生活からうまくちゃんと抜け出して、独自の世界を作っているわけで。 詫び状もらって、老後を二人でゆっくり・・・・の旦那に「冗談じゃない!」という人もいて、 理想と現実を垣間見た思いがしました。 もちろん、お父さん、今まで私たちのために一生懸命働いてくれてありがとう・・・ という人もいるのだから、どんなに忙しくてもちゃんと家族に愛情もって接していたか、 というそれぞれの家族のあり方が如実に現れた感じもします。 定年になったら、旦那が毎日いる・・・。 お昼ごはんも毎日作らなくちゃ。あぁ、苦痛。という人も少なからず(苦笑)。 解説によると、旦那さんは定年後、妻が100%夫の世話をかいがいしくしてくれる、 と思っているらしい。 でも、奥さんはお友達もいて、趣味もあって、しかも子供が手を離れた頃から始めたとすると、その趣味も講師クラスになっていたりして、多忙・・・。 それまで自治会のことも奥さんに任せっぱなしで、旦那さんは近所付き合いもなく 孤独に陥っていく・・・・というようなことが書いてありました。 そして妻から離れられず、出かけようとすると「どこ行くの、誰と会うの、何時に帰るの、 お昼ごはん、何食べたらいいの」・・・・あげくに「ボクも行く」とついてきちゃったりして、 奥さんにうっとうしがられてしまう・・・・ということも。 うーん。ちょっとパターンは違うけど、これってうちの実家・・・? 定年早々、実家の父親は母親に料理を教え込まれ、その結果・・・ いつ行っても、母親はどっかに遊びにいってて、私、なかなか会えませ~~ん。 カルチャースクール、自治会、地域の消防婦人会、お友達も多数。 下手すると、1週間ランチ続きってことも少なくありません。 主婦、それでいいのか??と思うけど、 「だって40年以上も仕えてきたんだもん」 「おばあちゃんがこんなに長生きするとは思ってなかったもん」 「パパと二人で旅行に行きたくても、おばあちゃんがいるから無理だもん」 「義姉たちは意地悪だし、おばあちゃん預かってくれないし」 「だったらお友達と遊んで、楽しく忙しくやっててもいいでしょ~~♪」 「というわけで、明日から鎌倉行ってきま~~す!」 ・・・・って感じ。自由奔放ですね。 なんだか、この本読んでいると、旦那さんもそんな都合いいことあるわけないじゃん。 とホントに身にしみて思ってしまいました。 ちなみにうちの父親は・・・・定年早々、私は忙しいんだから毎日お昼ごはんは無理よ!! と宣言されて、料理を仕込まれ、手伝わない人はごはんを食べられないのよ、 料理を作る人は一番エライんだから、文句を言うな! とわけのわからんことを言われて、今ではお料理も頑張ってます・・・・。 定年した仲間とテニスサークルをつくってやってるし、自治会も役員ひきうけてます。 そして、嫁と姑の確執で板ばさみ・・・・。なんか、苦労人だわ・・・(涙)。 そして我が家は生涯現役の自営業。定年なんてないけれど、私に万が一のことがあったら 旦那ちゃんは大変かも・・・。もう少し、お料理のレパートリーを増やした方がいいかも。 なんて話をしたら、なんだか超不機嫌。 定年した私の実家の父を見ているせいか(苦笑)、奥さん、もう少し旦那のこと考えてあげてくださいよ、定年したら労わって当然でしょ、長い間働いてきたんだから。会社ってホントは辛いんすよ・・・家族との時間を持ちたいのは、アタリマエじゃないっすか。でも出来ないんですよ・・・・という方らしく(笑)、こういう本を出して、妻に嫌われない旦那になろう、みたいなことを言って正当化してあおる人にものすごく頭にくる!とご立腹でした。 奇しくも、いい夫婦の日を目前に、昨日、切ないアンケートのニュースが・・・・。 なんか、この本読んだあとだったから、ものすごーーーーく痛かった。 私には関係のない詫び状ばかりだから、アハハ、ばかだな、こんなこと考えてんのぉ? なんて思っていたけれど、やっぱり読後感はねぇ・・・よくありませんでした・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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