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カテゴリ:本のはなしの巻
祖母が、満97歳の誕生日を迎えました。
嫁姑問題、現役バリバリ。耳は遠いが矍鑠(かくしゃく)とした明治女。 ビール大好き、啖呵をきらせたら天下逸品。 70歳を超えた父が飲み会で出かけて遅くなると玄関先で仁王立ちで待っている、 という元気なばーちゃん。 母のことはどうもキライらしく、仲人をした親戚の家に 「あんたがあんな女を仲人したのが悪い!」と鬼の形相でくってかかること数回。 まぁ、そんなものすんごいばあちゃんですが、 このたび、めでたく満97歳になりました。パチパチ。 といっても、だいたい誕生日なんか忘れてるわな、97回目ともなると。 毎年、お誕生日は、ケーキを買っていったりしたのですが、 耳が遠いのと物忘れが多少あるので、なんでケーキ食べたか分からなくなるんです。 お出かけ様に、ちょっとお洒落な洋服を買ってあげれば「こんな派手なの着られん」、 落ち着いたの洋服には「こんなババくさいの着たくない」。 というので、今年はどうしよう・・・・と思っていたんですが。 ハタ、と思いついた。 そうだ、ばーちゃんは本が大好きなんだった。 97歳とは信じられないほど、天眼鏡を片手に小さな活字の本を読んでいたんだった。 そうだ、今年は本を贈ろう。 そう思っていそいそと本屋に行ってみたのだけれど、なにせ田舎の書店・・・・ なんとまぁ、文芸書の少ないこと(涙)。 それでも、何かないかな~、と本棚を見ていたら ありました、ばーちゃんの好きな宮尾登美子さんの本「錦」。 宮尾登美子さんは、残念ながらまだ読んでいない私ですが・・・・ ばあちゃんは宮尾登美子さんと平岩弓枝さんのファン。 しかも、自力で本屋には行けないから、たぶん新しい本は読んでいないはず・・・・。 そう思って早速購入、届けてきました。 すると、いつもは何をあげても文句ばかりの祖母なのに、 パ~ッ!と顔が明るくなって「楽しみが増えたわ~~!」と大喜び。 いやぁ、ばあちゃんの誕生日を祝い続けてウン十年、ようやく一発合格ですよ。 あんなに本好きのばあちゃんだったのに、なんで今まで気付かなかったんだろ、私。 いやー、よかったよかった。 それにしても97歳の宮尾登美子ファン・・・・最高齢ファンかもしれませんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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