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カテゴリ:本のはなしの巻
ものすごい有名作家さんなのですが、どういうわけか
ノンフィクションライターだと思い込んでいた私。 でも、あるサイトで紹介されていて気にかかり、ついに手にとりました。 そして、深く感銘を受け・・・荻原浩さんと出会った時のような惚れちゃった状態に。 というわけで、今月恋をした1冊は 【流星ワゴン/重松清】 子供の不登校、家庭内暴力、妻からの離婚宣言・・・崩壊した家庭のなかで なんで、こんなことになっちゃったんだろう・・・もう、死んでもいいかなぁ。 人生に疲れてそう思っていた主人公の前に現れたアコードワゴン。 乗っていたのは、数年前に初めてのドライブで事故死したはずの親子。 その親子にいざなわれて同乗した車に乗ったことで、やり直したいいくつかの 人生の岐路に戻り、現実とは違う選択をした人生を体験する、というお話。 現実では分からなかったその時の家族の状況や気持ちを知り、 見えなかったものが見えてきて、その案内人が事故死した親子であること、 まもなく、人生の幕を閉じようとしている父親が、 主人公と同じ年齢で現れて彼の人生の岐路を一緒に体験することによって、 生きることの意味、家族であることの意味、そして自分が生かされている意味について 心の中にグッと想いが入ってくる、というような感じかなぁ。 主人公が戻るいくつかの時間が切なくて。 案内人の親子の関係や死んでしまった切なさに泣けてきて。 読むのがやめられない本でした。そして、泣きながら読みました。 うまく紹介できなくて、ものすごくもどかしいのだけれど、 まさに「出会ってしまった・・・」という感じの本。 今年の後半は、きっと重松さんを追いかけて 彼の本ばかりを手にとる事になると確信しています。 2)【あの日にドライブ/荻原浩】 もう一冊は、荻原浩さんの本を読みました。 いや~~、相変わらず面白いです。 大手銀行に勤めるエリート銀行員が部下の手前、 上司に逆らった一言で築き上げたキャリアを失い、 その後の出世の道を閉ざされ、退社に追い込まれて、タクシードライバーに転職。 「オレはこんな所で終わる人間じゃないんだ!」と心の底で思いながら タクシードライバーを心のどこかで蔑みながら、それでも生きるために 家族を養うために、必死で働く日本のお父さんの姿が描かれています。 それにしても、銀行ってそんなものすごい縦社会なの?とビックリ。 上司の言うことは絶対服従。小説とはいえ、ある程度はホントかも・・・・と思うと 銀行員って大変だなぁ・・・・と思ってしまいました。 乗客とのやりとり、その乗客との出会いで大きく人生が変わるんじゃないかという妄想、 タクシードライバーから離れたいのに、売り上げを上げるために努力をし、 いつか、きっと・・・と想い続けている姿が切ないです。 最後には痛快なエピソードがあり、読んでいるコチラも小さくガッツポーズ! やっぱり荻原作品は、面白いです。 3)アイ・アム・ア・ウーマン/谷村志穂 音楽業界で働く女性が、黒人の男性に入れあげるお話。 男に入れあげすぎちゃって大事なものが見えなくなるバカ女のお話ですね。 山田詠美さんの作品を思わせるけど、その強烈さも鮮烈さも面白さもなくて、 描かれる男性は、入れあげるほどの魅力もちっともなくて、 「余命」があまりにもヨカッタ本だっただけに、残念すぎる~!って感じです。 今月読んだのは、この3冊。 とにかく重松清さんに出会ったのが何よりの収穫でした。 恋する作家が増えてしまい、活字バカ復活って感じかも。 でも、今は、人生の宿題の一つ(笑)、大江健三郎に手を出してしまい 重松さんにたどり着けるか不明なんだよなぁ・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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