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カテゴリ:本のはなしの巻
珍しく、超話題の本を読んでみました。
夏目の夏、芥川の川、草枕が好きで・・・で、このペンネームってところが気に入りました。 地域医療で奮闘するお医者さんが書いた、地方病院でのお話。 患者さん一人一人と真摯に向き合う医師の姿が印象的。 草枕が好きで、話し方も草枕そのもので、かなーりの変人な内科医だけど 医療に対しても、人に対しても真剣な人。 「こんなお医者さんがいたら・・・」という声が相次いでいるそうですが ほんとだなぁ・・・・と思う一冊でした。 その中に彼を取り巻く先輩医師や同僚医師、看護師の皆さん、 同じアパートに暮らす怪しい友人たち、 こんな変人で忙しい医師の妻となった有名山岳写真家の奥さん、 病気になっても穏やかで人生と向き合う患者たち。 登場人物はどの人も、穏やかで、でも魅力にあふれています。 だいたい、口調が「私は妻がおる身だぞ」とか「そのようなことは申してない」とか 暇さえあれば、草枕を開き、話し方もこんな風になっちゃった、なんて 設定がおかしすぎなんだけど、重い話も切ないエピソードも この口調と、想像するに飄々とした風貌が全体をやわらかくしている感じです。 すっごく面白かった。 これがデビュー作。お医者さんでありつづけて欲しいけど、 シリーズ化して、次々とお話も書いて欲しいなーと思っています。 神様のカルテ 実は、この本は図書館で予約していたので、予約の順番がくる前に・・・と 一気に読んだのが、飯塚夏樹さんの手記「ガンに生かされて」。 余命宣告をされた、終末医療患者の最期の日記ですね。 ネットで連載されていたらしく、テレビでもその姿が取り上げられたり その生き様がドラマになったりしていたそうですが、残念ながら知らなかった・・・。 (でも、彼のドキュメンタリーは動画サイトで見せていただきました)。 先日、彼の処女作を読み興味がわき、最期の手記となった本を読みました。 いつ天国に逝くか分からない、そんな状況でも毎日を穏やかに前向きに過ごす 飯島さんの日常にその強さと優しさと、家族への愛情を強く感じる一冊でした。 リンクさせていただいている、大好きゆずるくんさんが、彼の本は全部読んだと 言ってましたが、文章から伝わる強さや優しさは魅力にあふれていて 私も他の本も読んでみたくなりました。 世界で活躍していたプロサーファー。終末医療患者となり、 それでも好きな海の側で・・・とハワイへ家族で移住し、 ガンになって分かった事があると全てを受け入れ、 短くてもみんなの印象に残る人生を歩んだ飯島夏樹さん。 彼の周りには、そんな彼を見守り、強さに刺激を受け、 彼を愛して止まない人たちが大勢います。 飯島さんは天国に旅立ったけれど、残ったものはとてつもなく大きいと思います。 小説の方は、まだまだ荒くこれからが楽しみな新人作家という感じだったので 彼の作品をもう読めないことは本当に残念。 ご冥福をお祈りしています。 ガンに生かされて 余談だけど、飯島さんの主治医の先生方は、終末医療患者としての彼の事を とてもよく理解し、彼の生き様を応援していた様に思います。 医療がどんなに発展しても、死を避けることができない場合もあります。 飯島さんに関わったお医者さんは、神様のカルテで描かれていた、 地方病院で奮闘し、患者に真摯に向き合う医師の姿に重なりました。 お医者さんって・・・・ほんと大変。そしてスゴイ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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