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カテゴリ:本のはなしの巻
【送料無料】静人日記 これは、亡くなった人を悼む旅を続ける主人公、坂築静人の日記。 亡くなった場所に赴き、どんな人だったか話を聞き悼む。 その人がこの世にいたことを忘れないために悼む。 被害者何千人、事故で○人が死亡。 そういう数字ではなく「人」として覚えておきたい。 事故や自殺、殺人など人が亡くなるにはいろんな形があるけれど 亡くなった状況ではなく、亡くなった人を忘れない。 という想いで旅を続ける静人の日記。 おりしも、この本を読んでいる最中に3.11を迎えました。 あの地震を経験し、津波で亡くなった大勢の人々。 「津波で亡くなった」ということはもちろん事実としてあるけれど 「津波で亡くなった人」ということより、 「こんな家族がいて、こんな風に愛されていた人」 として覚えておきたい・・・・という想いがこの本を読んで強まりました。 テレビで報道を見るたび、辛くて涙が止まらなくて、 直接の被災者じゃないのに多くの友人が被災して、今も連絡が取れない友達がいて それでもちゃんと復興のために前を向いている、と自分では思ってたはずなのに、 ちっとも立ち直れていな自分にビックリしてたけど。 この本を読んで、津波で亡くなった人=可哀相という概念が ほんの少し、取り除かれて。 あの地に生きて、多くの人と関わり、誰かに愛されて暮らしていた人が亡くなったんだ・・・ という、何というかこれが悼みの感情なのかな、そんな風に思うようになりました。 うまく言葉にならない感情があって。 東日本大震災のことも、まだまだ納得できない感情もあって。 直木賞を受賞した「悼む人」を読んだつもりで読んでいなかったことに気づきながら、 続編であるこの「静人日記」を先に読むことになったのは きっと、何か意味があるんだろうな、なんて思ってます。 天童荒太さんの本は、読んだ後にずっしりいろんなことを悩んでしまうけど やっぱり読まずにはいられない、大事で大好きな作家さんだったりしますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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