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カテゴリ:本のはなしの巻
【楽天ブックスなら送料無料】星間商事株式会社社史編纂室 [ 三浦しをん ] 初めての三浦しをんさん。星間商事株式会社社史編纂室。 実は、もっと古めかしい小説を描く人だと思っていたのですが、 えー、こんな感じの小説家だったのか!と驚きでした。 若さもバイタリティもあるのに、突っ走るだけでない冷静な俯瞰感。 ほうほう、こういう展開か。ニヤリとしてしまう小説でした。 なかなか発行されない、星間商事株式会社の50周年記念社史。 経済成長を遂げたある一定の時期のことを、なぜか語らないOBたち。 その時期の歴史をなくして社史はなりたたない、と発行を目指し 取材を続け奮闘する編纂室のメンバー。 そしてたどりつく、会社の成長の陰にあった哀しみの歴史。 なぜか同人誌が絡み、小説の中に同人小説があるという不思議。 なかなか楽しい時間を過ごしました。 でもねー、会社の記念誌をいくつか手がけてきたけれど。 記念式典に間に合わない社史なんてありえない。 内部の人だけで、取材からデザインから印刷手配からできるとは思えない。 というあたりは、読んでる途中にいろいろ思ったのですが。 最後まで読んで、なるほどこの結論にたどり着くのは、 制作会社を入れる展開ではダメなんだなぁ、と納得。 そしてこの小説を読みながら思い出した、私が関わった企業記念誌の仕事。 快くインタビューをさせてくれて、思わずぶっ飛ぶビックリネタを教えてくれた ゴッツイ手の職人のじっちゃん達や、日本酒はビールジョッキに決まってるだろう! と豪快な現場監督(でも取材は大照れ)、事務方としてソロバンの時代から経理を支えた 穏やかで芯の強いご婦人方を懐かしく思い出し、楽しい仕事をさせてもらったんだなぁ・・・と 思い返す時間にもなりました。 初の三浦しをんは大当たり。 今年、読み続ける作家に加えておこうと思っています。 でも、今読んでいるのは、朝ドラの影響で「白蓮れんれん」だったりするんだけどねー。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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