『欲望という名の音楽 狂気と騒乱の世紀が生んだジャズ』(二階堂尚・著)
大友良英さんの土曜夜のラジオ番組NHK-FM「ジャズ・トゥナイト」で紹介されていた本、『欲望という名の音楽 狂気と騒乱の世紀が生んだジャズ』。番組内で聴いた自死を遂げた守安祥太郎というジャズピアニストに興味を持ったことから手に取った。ワタシの中のジャズはエンターテイメントであり、ドロドロとした陰惨さは皆無なのだが、本作を読むと、能天気に楽しんできたのが申し訳なくなる。ジャズと貧困、ドラッグ、人種差別、売春、マフィアとの関わりは、フランク・シナトラやビリー・ホリデイ、映画「ゴッド・ファーザー」を通して、おぼろげながら知ってはいたが、敗戦当時の日本もご多分に漏れずだった、というから驚きだ。興行主やパトロンがいわゆる「反社」、というのも暗黙の了解だったよう。何事も表裏一体、陽のあたるところには陰もあるのだ。欲望という名の音楽 狂気と騒乱の世紀が生んだジャズ [ 二階堂 尚 ]価格:2,640円(税込、送料無料) (2023/9/14時点)楽天で購入