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heliotrope8543

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July 1, 2008
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カテゴリ:すてきな人びと
 「なぜ世界の半分が飢えるのか」「WTO徹底批判」「オルター・グローバリゼーション」などの著作で知られるスーザン・ジョージさんの講演「グローバル化と社会・金融危機―私たちはどんな世界に向かっているのか―」を聴いてまいりました。スーザン・ジョージさんは現在TNIATTAC FRANCEで活動していらっしゃいます。

 現在、私たちが直面しているのは、1)社会的危機 2)金融危機 3)環境(気候・生物の多様性)の危機 

 結論を言うと、危機という漢字には機会の機がある、金融危機を逆手に取れば、社会的危機、環境の危機を解決するチャンスにできる、ということです。

 それぞれの説明はだいたい以下のとおりです。(聞き違いがあるかも)

 UNDP(国連開発計画)のデータを見ても、この20年間で各国で格差が拡大している。世界の上位10%の人が80%の富を所有し、世界の人口の半分がわずか1%の富しか所有していない。世界で950万人が37兆ドルの流動資産(投機に使える)を持ち、さらにもうけることができる一方で、世界銀行によると世界の半分が1日2ドル以下で生活している。
格差が拡大したのは、規制緩和、政府の役割の縮小、市場の自由化、民営化などの政策を選択してきた結果である。市場原理に任せた方がよいものといけないものがあり、水道、穀物、薬の開発などは任せては行けない。

 銀行が合併などにより巨大になり、潰れるとドミノ倒しのように影響が大きいため、政府がお金を出して支えるようになった。そのため、銀行のメンタリティーがなにをしても潰れないのだからというよからぬものになり、サブプライムのような問題を引き起こした。住宅バブルがはじけて投機マネーが食糧に向かった。一般の銀行と投資銀行を一緒にできるようにしてしまったのが、終わりの始まり。

 経済も人類も地球に存在しているが、経済システムが肥大化して浸食している。本来生物圏の中に経済があるのに、新自由主義経済では、経済圏の中に生物圏がはいっていると考えるので矛盾が生じる。ある人の言葉によると、生物圏の大きさは決まっているのに、無限に経済圏が成長すると考えるのは気が変な人、さもなければ経済学者。

 金融市場を野放しにするなら、社会危機、環境危機は大きくなる。この10年でどう対処するかが分かれ目。
環境経済への転換が必要だが、政治家はなかなかわからないので、自分たちが動くことが必要。
ケインズは時代遅れと思われているが、不況のときほど政府の介入が必要ということを今もう一度見直すべき。

 具体的には

・政府が貸し付けしている銀行に、政府は、環境によいプロジェクトを持つ企業に融資したり、環境によいかどうかで利息を変えるよう指導すべき。

・投機マネーに対して国際的レベルで課税することが必要。通貨取引税を課せば相当な財源となる。1970年代為替取引は1日800億ドル。現在は3,2兆ドル。

・タックスヘイブンをなくすこと。(大企業がタックスヘイブンに逃げ、個人の税負担が重くなっている。大企業の利益と税金は反比例している)

・最貧国の債務を帳消しにする

 政府がお金の流れを変えることで、社会危機、環境危機を解消できるはずとのことでした。

 質問の答えの中で、スーザンさんは、「成長」の意味を考え直すべきとおっしゃいました。
ガンを増やせば病院のベッド数も増え、経済効果があるでしょうか?戦争、あるいは戦後の復興はもっと経済効果がある?それは、成長ではなく、破壊です。環境経済の成長率はもっと低いけれど、本来の成長ということでした。

 来日された日、スーザンさんは空港で4時間止められたそうです。暴力とは無縁で悪しきグローバリゼーションに反対している(もうひとつのグローバリゼーション=オルターグローバリゼーションを提唱している)彼女に対する処遇によって、かえってG8の本質が見えてくる気がします。

 





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最終更新日  July 2, 2008 09:18:39 AM
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