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カテゴリ:展覧会
東京丸の内の出光美術館にてルオー大回顧展を見ました。今年没後50年ということです。
ルオーの絵は黒い輪郭線と深い色彩が中世のステンドグラスを思わせますが、キリストや聖母をほとんど描かなかった時期がありました。描き続けていたのは、裁判官、娼婦、道化師など… たしかにそういう人たちを見れば人間の性が見えてくる気がします。 といっても、それも一様でなく、裁判官でも傲慢な権力者の象徴であることもあれば、人を裁かなくてはならない苦悩の表情を見せていたり。道化師もしたたかだったり、子煩悩だったり、あるいは、穏やかな顔をしていたり。 キリストや聖母が描かれていなくても、やはりそれらは宗教がといえるでしょう。 「ミゼレーレ」という版画のシリーズで、「生きるとはつらい業」という題の絵のとなりに、「でも愛することができたなら、なんと楽しいことだろう」という絵があったのが印象に残っています。 最晩年の絵の具を異様に厚く盛り上げた色鮮やかな絵には吸い込まれそうでした。円空仏のような力強さを感じました。 出光美術館公式サイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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