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heliotrope8543

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July 9, 2008
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 少し前ですが、マイケル・クライトンのNEXTを読みました。エンターテイメントとして、ぐんぐん引き込まれてすぐ読めますが、書かれている内容が、空想物語というわけでもなく、実際の世界がもうそんな段階に来ていると知ると、ぞっとします。遺伝子をちょっといじったからといって、オウムに子どもの宿題を手伝う能力ができるのかは疑問ですが、自分の身体の中にある物質の特許を勝手にとられてしまう、ということは、もう南の国の人たちに対しては行われているそうです。

 クライトンは本書を執筆するための取材をするうちに、次のことを思うようになったと、あとがきにあります。

1)遺伝子の特許を認めるな
遺伝子の特許を認めるということは、鼻の特許を認めるようなもの。そうなったら、眼鏡もティッシュペイパーも鼻炎スプレーも作れなくなる。

2)人の組織の使用に関する明確なガイドラインを作るべき
身体を離れたからといって、何の権利もなくなるのはおかしい。

3)遺伝子実験緒データは公開されるべきである
遺伝子治療により死者が出た場合、隠蔽しようとされがちである。

4)研究に禁制はさけるべきである
するべきではない実験はたしかにあるが、今の時点では、ある国で禁止しても上海では行われてしまう。

5)Bayth-Dale法を無効にせよ
1980年に可決されたこの法により、学者は税を使って成し遂げられた研究を自らの利益のために売ることができるようになった。その結果多くの学者が企業とタイアップするようになった。30年前には利権と無関係の学者が公共の利益のためにあらゆるテーマで議論することが可能だったが、今では学者の個人的な利益が判断に影響している。
大学は研究より利潤追求に走り、納税者は政府を通して寛容な投資家にさせられている。
消費者は自分たちが出資した薬を高い値段で買わされている。投資家には普通見返りがあるが、アメリカの納税者にはない。
かつて人道的な欲求を感じていた科学者は今では損得に関心が深いビジネスマンと化した。






マイケル・クライトン著 「NEXT」 早川書房

 遺伝子組み換えや生命特許についてさらに知りたい方は

天笠啓祐編著「生命特許は許されるか」 緑風出版 をお読みになってみてください。



 アルツハイマーやパーキンソン病になる遺伝子も特許が取られたり申請されていますが、そうなると、他の製薬会社や学者は研究ができなくなり、患者にとって不利益になります。そもそも特許制度は工業製品のためにできた制度であり、学者が発明したわけでもなく存在するものに特許を与えることがおかしいのではないでしょうか?
この本には、ミリアド・ジェネティクス社が乳がん遺伝子BRCA-1とこの遺伝しい関する知識から得られるすべて緒治療および診断手法に対し、特許を申請しており、認められると、同社は患者が診断スクリーニングを受けるたびに特許料を請求することができる、と書かれています。2003年に出版された本なので、検索してみると、どうもその後この特許は認められてしまったようです。検査料が高いのも、特許料が含まれるからではないでしょうか。 医療・医学ニュース









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最終更新日  July 9, 2008 01:06:59 PM
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