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本の足跡

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2006年12月09日
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カテゴリ:か行 女性

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“懐かしい骨”

評価:★★★☆☆

 

サスペンス長編。

主人公は中年の兄妹。彼らの両親が亡くなり、実家を売りに出すことにした。実家の解体工事が始まると、物置の下から白骨死体が見つかった。これを期に兄妹に甦る幼い日の記憶。幸せだったはずの子供時代の記憶が瓦解し始める・・・!!

ん~・・・。物語は始終淡々としていた。つまり、ハラ×2ドキ×2みたいなのはなかった。ただ、じんわりとした恐怖みたいなのは十二分に味わえた。

物語の根底にあるのは、幼い自分からみた家族と現実の家族っていうものの間には乖離があるってこと。これは私も大人になってすごくよくわかる。幼い頃には仲良しに見えた母と姑だって、大人になってみれば、姑のいじわるとそれに耐える母がはっきりみてとれたり。

また、始終夫婦円満にみえた両親も、今考えれば色んな危機があったり。立派で逞しくて弱いところなんてなくみえた父が、本当は子供っぽくて、脆い面もあることに気付いたり。そういうのって、子供のときは全くわからなかった。何の綻びもない幸福いっぱいの家族だと信じてたんだよね。もちろん、我が家は今も幸せですけどね(笑)

そういう絶妙な人生の機微をがつんとついてきてる、この作品。さすが心理サスペンスの女王だけあるなと、また×2、感銘を受けました。






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最終更新日  2006年12月09日 05時04分20秒
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