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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:さ行 男性
評価:★★★★★
連作短編集。全8話。 定年退職を迎えた山崎さん。彼は一人寂しく散歩をしているが、そこで友達ができた。これからの人生を模索しながらも、山崎さんの新たな日常が始まった!! いや~最高です。哀愁、郷愁、人生の機微。子供の巣立ちや親、友達との今生の別れ・・・。父であり、夫であり、元会社員であり、そして一人の男であり・・・定年を迎えた様々な山崎さん(主人公)の姿をシリアスに時にはコミカルに描いています。 軽く読めるのに内容はとっても深い。いいねぇ~。銘々のキャラクターもいい。企業戦士だった男達が定年して手持ちぶさたになるっていう設定はありがちなんだけど、描き方はさすが重松さん。行間から滲み出る暖かさや切なさ(*´ー`) たまりません(´ー`) 男達は色々悩みながらも自分の生き方を模索するのです。いいなぁ~と思うのは、彼らは決して懐古趣味に走るわけでもなく、かといって若い世代に迎合するでもない。自分の生き方を(時代遅れかもしれないけど、と思いつつ)貫いてるとこ。 不器用で照れ屋で、自分のポリシーを持ってる。芯があってさ。かといって狷介固陋な親父でもなくて、情があるんだなぁ~。こういう旦那さん、好きです。昨今は、毎日『愛してる』だとか『きれいだよ』なんて美辞麗句を言う男がいいと言われてますが、私は山崎さんみたいな人が好きだな~。 言葉は少ないけど、思慮は深くて。それを妻もちゃんと理解してる。以心伝心。そしてたまに見せる不器用な優しさ。散歩の帰りにケーキを買ってきてくれたり、さりげなくおでかけに誘ってくれたりする。 高倉健さんみたいですね~『不器用ですから』ってか(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年03月21日 08時16分12秒
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