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本の足跡

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2007年07月05日
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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:あ行 男性

葉桜の季節に君を想うということ

“葉桜の季節に君を想うということ”

評価:★★★★☆

 

長編。

--- 梗概 -------------

「おじいさんの事故死は保険金殺人かもしれない」・・・友人が想いをよせる女性から、思わぬ話を聞かされた主人公。おじいさんは生前、悪徳商法にひっかかり大金を浪費したあげく、事故死。その後、おじいさんに二束三文の品を高額で売りつけていた詐欺グループと思われる会社が受け取り人となった生命保険が、おじいさんにかけられていたことが判明。真実を知りたいと彼女に依頼され、かつて探偵事務所で働いていた主人公は、友人の想い人の頼みということもあり、この依頼を受けることに・・・。

---------------------

うおっ!!すっかり騙された!!ちくしょう!!゛(`ヘ´#)

・・・冒頭からお見苦しい発言で申し訳ありませんm(_ _)m

でも・・・ほんと見事に騙されました。以前から叙述トリックものだと聞いていたのでいつも以上に「騙されまい!!」と先入観を排し(たつもり)で、腰を据え、目を皿にして読んでた(つもり)なんですが・・・徒労でしたね(;^ω^A

はぁ~やられた。すっかり。でも快感!!最後の「やられたーー!!」ってのが第一の快感。次に、「あーー!!確かに○○だとは一切明言されてないのに!!ここで騙されたのかーー!!」と騙された箇所を確認しながら再読するのが第二の快感。

二度、三度読んで、騙されたところをじっくり読み返すのが叙述トリックの醍醐味というもんですねぇーーー(*´ー`)

はぁーー気持ちいい。すっかり騙されて。ただ、一つだけ腑に落ちない箇所があったんですが、それも『補遺』を読んだら見事に納得。『補遺』の果たす役割はかなり大きいなと勝手に一人点頭してみたり(笑)

この作品、ミステリーとはちょっと趣が違うような・・・謎解き要素はほぼ皆無。主眼は読者を騙すことのように思います。そして見事作者の術中にはまった私です(笑)

そしてまた、意味深長な作品でもあると思います。もしかしたら私が穿ちすぎなのかもしれないけれど、この本は・・・以下ネタバレのため伏せ字 『人の恋愛というものを取り上げていて、とても奥深いものなのでは?若い人っていうのは、老人は恋愛なんかしない、そういった感情はもうとうに枯れてしまっているなんて思いこんでるけど、実際はそんなわけない。老人っていうのは見た目が少しばかり老いているだけであって、内面はなにも若い人と変わりない。私だって、恋愛するときの気持ちは10代の頃とほとんどかわらない。20歳過ぎたって、好きな人の前ではドキドキする。きっと30代になっても40代になっても・・・ずーっとそうだと思う。大人になったからドキドキしないとか、達観して恋愛感情はなくなるとか、そういう、恋愛は若者の専売特許!!みたいな思いこみってすごくおこがましいですよね。実際に、老人の恋愛刃傷沙汰の事件を聞けば、小馬鹿にしたように笑ったりするし。でも10歳だろうが20歳だろうが、80歳だろうが90歳だろうが、恋愛中はみんな遍く同じなんですよね。年齢の壁なんかない。』こんな、当たり前だけどみんなが気づいてない真実に気づかせてくれる、そういう作品でもあると思います。ちょっと深読みしすぎかな?(笑)

余談ですが、この本最近文庫になったばかりです。私は文庫になる数ヶ月前に単行本で買いました・・・こういうのってちょっと悔しかったりしませんか?・・・ってつまらぬ愚痴はさておいて。

なにはともあれ、騙されたい方、おもしろい叙述トリック本をお探しの方、是非どうぞっ!!

=== 153冊目 読了 ===






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最終更新日  2007年07月05日 05時22分25秒
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