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本の足跡

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2007年07月10日
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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:あ行 男性

46番目の密室

“46番目の密室”

評価:★★★★★

 

ミステリー長編。

--- 梗概 -------------

海外でも名を馳せる名うてのミステリ作家。彼は密室トリックを得意とし、数々の作品を発表してきたミステリ界の大御所である。その彼が主催する毎年恒例のクリスマス・パーティーに呼ばれたアリスと火村。楽しいパーティーのはずが・・・主催者であるミステリ作家が暖炉に上半身を突っ込んだ状態で焼かれて死んでいた!!状況は密室。それと同時に、身元不明の男の死体も、作家と酷似した状態で発見される!!密室を解く鍵は?そして、犯人は・・・!?

---------------------

くはぁーーー(*´ー`)おもしろいねーー。最高です。これ読んで気が付きました。学生アリスは、作家アリスが書く小説の主人公なのね。ふーん。なんともおもしろい設定ですねーーそれがさらに妙味となってたり(*´ー`)

有栖川さんの作品って、完全犯罪が計画通りに進まないっていう設定にとっても魅力があるんですよねーー。つまり、多くの推理ものって、犯行が計画通りに、犯人の思惑通りに寸分違わず進みますよね?でも、ひねくれものの私は思うわけですよ、「そう計画通りに行くものか?」と。

例えば、密室トリック。男が密室で死んでいる。部屋の鍵はドアの近くに落ちている。っていう状況があるとします。そうすると、鍵は部屋の中にあったから密室だとなるんですが、実は、他の発見者が死体に目を奪われているうちに、発見者を装った犯人が鍵を死体発見と同時にそうっと部屋のドアの前に投げ捨てたもので、密室じゃなかったーーっていうのがあります。

でもさ、それって、もしかしたら誰かは犯人が鍵を捨てるのを見てたかもしれないし、部屋に入った瞬間に鍵が落ちていないことを確認されたかもしれない・・・等々、そのトリックが成功する=犯人の思惑通り進む確率は決して100%じゃないわけです。私はいつも計画通りにいく推理を読んでは、「こんなにうまくいくか?」「私ならこうしただろうなーー」とかついケチをつけたくなってしまうんです(笑)

そういや、小池真理子さんの本にも書いてありましたねーー。

いかなる完璧な計画も偶然には勝てない。

人が作った物語の筋書を壊してしまうのは、常に些細な偶然なのだ。

って。至言ですね。

とどのつまり、何が言いたいかというと、そういった偶然、犯人の思惑通りにいかなかった結果起こる不可思議な犯罪。最初はAという犯行プランが犯人によってたてられている。しかし、色々な偶然の積み重ねや、犯人にとっての予想外の展開などがあいまって、Aだったはずの犯行計画いつの間にやらとAとはまったく異なる複雑怪奇な事件になってしまっている。

計画通りに進む完全犯罪よりも、こういった設定の方がリアリティがあっていいし、さらに読み物としても存分に読者を楽しませてくれると思います。だから、こういう設定の有栖川作品にとっても惹かれるのです。

『ダリの繭』もそういう設定でしたもんね。あー間然するところがございませぬ。いいですねーー、アリス&火村♪

=== 157冊目 読了 ===






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最終更新日  2007年07月10日 16時34分11秒
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