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本の足跡

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2007年07月27日
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カテゴリ:か行 男性

果断

“果断 隠蔽捜査 2”

評価:★★★★★

 

長編。

--- 梗概 -------------

息子の不祥事により降格処分となり、大森署署長となった竜崎。その大森署管轄内で、人質立てこもり発砲事件が発生。SITの交渉に全く応じない犯人。やむなく竜崎の判断でSATの突入が許可され、被疑者死亡、人質無事救出という形で事件は解決をみた。しかしその後、SATが犯人を射殺したことに対しマスコミ・人権派からの警察叩きが始まった・・・!!さらには誰もが予想だにしなかった事実が見え始める・・・!!

---------------------

・・・すごい・・・おもしろすぎる・・・。もうこれしか言うことないです(笑)心臓がバクバクいってます。興奮してます。ほんとおもしろい。

たまりませんね。前作を凌ぐおもしろさ。竜崎は大森署署長となり、本当の意味で現場を知ることになりました。そして、そのことがまた彼を成長させるのです。

ストーリーもすごい。息もつかせぬ展開。まるで自分がその場にいるような錯覚に陥る。臨場感たっぷりです。そして、事件を巡り様々な思惑が警察内を駆けめぐる。それを原理原則に従い、何者にも与さず捌いていく竜崎。そんな彼をまたもや襲う家庭内の問題。

窮地に追い込まれながらも決して自己を見失わず奔走する彼に、しびれまくってます(笑)

完璧な人間であり、情にかけるように思える竜崎ですが、ラストの夫婦の会話なんかに彼の人間味が溢れてるような気がします。他にもウィットに富んだ会話には思わずニヤリとしてしまいますね。そこも見どころ、読みどころ?(笑)

それに、今回もサブキャラがいい味だしてます。戸高とか、副署長とか。SAT・SIT隊員もいい。そして何よりよかったのは竜崎の奥様です。彼女もさすが竜崎の妻という感じ。

昨今何かと批判されがちな専業主婦ですが、彼女のような参謀役がいてこそ夫が外で働いて国を支えられるという側面も見逃してはならないですよね。妻という夫の参謀役を、彼女自身が選択し、主体的につかみ取った人生ならば、なぜそれを他人が批判することができようか。

彼女のような女だけが素晴らしい妻だとか、それが女の生き方だとか、そんなことは思わない。夫を支える妻だけが立派なわけではない。けれど、少なくとも彼女は主婦だからと言って蔑まれるべきではない。立派に役割を果たしていて、素晴らしい女・妻なんだと思います。

まっ、実際にはこういう女の人をみかけなくなり、ぐーたら主婦が耳目に触れる機会が増えているからバッシングも高まっているんでしょうけどねーー(;^ω^A

ん?なんかフェミニズム論議みたくなってきたな・・・これは警察小説でしたね(笑)閑話休題。

竜崎の意志の強さにも脱帽ですが、何より大事なのはそれに賛同し、ついてきてくれる上司・同僚・部下がいることですね。いくら信念があろうが、それを実現するためには周囲の協力を得ることが絶対必要です。そういう意味で彼は周囲の人間にも恵まれているんだなーー♪

この作品、愛知長久手町の立てこもり事件を彷彿とさせます。当時、この事件を予測したかのようだといって話題になりました。

読んでみて思いました。愛知県の現場に竜崎のような真っ当なキャリアがいたらあの事件はまた違った結末を迎えていたのかもなと。そんなことは言っても詮ないことだと十二分に理解しながらも、つい思わずにはいられませんでしたね。

・・・ふっーー。本読んでるだけでこんなに心臓が高鳴る興奮を味わえるとは、思ってませんでした。 よかった。ほんとに(*´ー`)しみじみ

=== 169冊目 読了 ===

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最終更新日  2007年07月27日 19時16分49秒
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