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本の足跡

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2007年10月22日
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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:あ行 男性

英国庭園の謎

“英国庭園の謎”

評価:★★★★☆

 

連作ミステリー短編集。全6話。

作家有栖&火村シリーズ。

どれもこれもおもしろい。飽きない。短編なのにちゃんと本格ミステリになってるところが、作品のクオリティーの高さを表しております。いいですね。

特に好きだったのは『完璧な遺書』です。あらすじは・・・

懸想する女にこっぴどく振られて、思いあまって彼女を絞殺してしまった男。彼は、女が自殺したとみせかけるために脳味噌をフル回転させる。そして、一切瑕疵のない完璧な方法で遺書をでっちあげ、完全犯罪は成立したかに思えた。だがしかし・・・!!

この話は、犯人視点で書かれています。毎回毎回有栖視点だとさすがに飽きがきそうですが、こうやって時折視点の違う話を混ぜるあたりが、さすがと言いますか。読者を倦ませずに物語りに引き込む。策士です(笑)

閑話休題。

火村ってどんな人?っていうのが、いままではずっと有栖の主観で描かれてきたんですが・・・今回は犯人視点なので、また新しい火村像がみられました。犯人曰く、火村の容姿は・・・(P181より)

頭に白いものがちらほら混じっているが、若白髪らしい。まだ三十代の前半かせいぜい半ばだろう。鼻筋の通ったシャープな顔立ちは理知的な印象を与える。ただ、堅く結ばれた口許は、どこか癇が強そうで、目にあまり穏やかならぬ光がよぎったりする。彼の写真だけを見せられて何者かを推測してみろ、と問われたら、身を持ち崩したインテリのギャンブラーとでも答えたかもしれない。

ってな具合らしいです。それにしても、身を持ち崩したインテリギャンブラーって・・・視点が変われば印象も違うんですね(笑)あと、バリトンの声が渋くていい、みたいな描写もありました。

他にも、火村が有栖(であろうと思われるが、明言はしていない)のことについて話すシーンがあるんですが、思わず笑ってしまいました(≧∇≦)プフッ!!有栖って・・・意外とカワイイやつです♪気になる方は一読をっ!!(笑)

・・・あれ?この話が好きといっておきながら、主眼であるトリックの話に言及してないや~(笑)でも、一番気に入ったのは上記の描写だったりします。

もちろん、トリックもおもしろかったです。私が刑事だったら完璧に騙されて自殺って言っちゃいそうだった(笑)でも、火村先生はそう易々とは騙せません。見事に犯人の小細工を看破しちゃいます。その見事な推理力に感服。スカッとしますね~♪

ちなみに、この話は主人公である(ハズの)有栖は一切出てこない(笑)それもまた一興。こういう予想だにしない設定しちゃうから、有栖川有栖から逃れられないんですよねーーすっかりハマってしまってる(*´▽`*) もう、一生ついてゆきます♪

=== 191冊目 読了 ===

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最終更新日  2007年10月22日 16時37分10秒
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