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本の足跡

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2007年10月26日
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テーマ:本日の1冊(3697)

オセロー

“オセロー”

評価:★★★★★

 

シェイクスピア全集。第13巻。

--- 梗概 -------------

ヴェニスの将軍であるオセロー。彼を陥れようと画策するイアゴー。イアゴーは、オセローの妻デズデモーナとオセローが最も信頼する部下キャシオーのあらぬ仲をオセローにほのめかす。嫉妬にかられたオセローはイアゴーの術中に嵌ってしまう。その結果訪れる悲劇の結末とは・・・。

---------------------

以前阿刀田さんの『シェイクスピアを楽しむために』を読んで以来、シェイクスピアに挑戦したくてしたくてたまんなかったのです。で、ついに全集に手を伸ばし始めました♪

嫉妬にかられる男オセロー。嫉妬って感情はやっかいなもんですね。でも、妻を信じ切れないオセローの弱さも痛感します。ん~でも普段何にも動じない威風堂々とした将軍でさえも狂わせてしまうのが嫉妬という感情なのかもしれないですね。

そしてイアゴー。彼の奸計にはあっと言わされます。人間心理を巧みにあやつった作戦。まるで見えない糸に操られるように、皆彼の作戦通りに行動し、イアゴーの術中に陥るのです。

そういや、阿刀田さんの本の中に、オセローがイアゴーの奸計にすっかりはまったのは、オセローが黒人ということに関してコンプレックスがあったことも一因ではないか、みたいな解釈がありました。

なるほど。そういやところどころオセローが黒人であることをけなすような表現がでてきますね。白人ばかりの中で大出世したオセローは、肌の色について譏られることも多かったのかも。それゆえに白人に関してコンプレックスがあったとしてもおかしくない。

そんなオセローに囁かれる妻の浮気疑惑。しかも、妻の相手と言われているのは才能豊かで男前の白人。平生のコンプレックスもあるから、なお嫉妬にかられたのかもしれないですね。

いや~ホントによかった。シェイクスピアの素晴らしさが遅まきながら分かりましたね。なんでもっと早く気付かなかったんだろう?名前だけ知ってる状態でのほほんとしてた10代のころが悔やまれる・・・とは言っても、10代のころ読んで今ほど感銘を受けられるかというと疑問ですが(;^ω^A

なんていうか、言葉の使い回し、ものの言い回し、そういうのがすんごくうまい。これは訳者の力量もあるんでしょうが、すごいですね。「このフレーズ素敵♪」ってな箇所を紹介したいところなんですが、一ページに何カ所もあるので、もう紹介しきれませんっ(笑)

あと、物語の根底にある人情の機微、人間の醜い部分・・・愛憎渦巻く悲劇。それがめちゃくちゃうまいんですよねーー。天才を超えた天才?こういうところが、時を越え、国境を越え愛される所以なんでしょうねーー。

あぁ~ホント、すばらしいのです。人間の様々な感情が複雑に絡みあってるんです。それを見事一本の劇で表現できるところがシェイクスピアのすごいとこ。

もうすっかり心酔してしまいました。もう全巻読むっきゃない!!(≧∇≦)b

=== 194冊目 読了 ===

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最終更新日  2007年10月26日 21時47分12秒
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