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テーマ:本日の1冊(3698)
カテゴリ:あ行 男性
評価:★★★★★
ミステリー長編。 --- 梗概 ------------- 大学時代の友人、衛大龍の誘いを受けて彼の母国マレーシアを訪れた火村と有栖。久闊を叙する三人。昔話に花が咲き、楽しい時間を過ごしていた。そんな折、火村と有栖が偶々立ち寄ったお店で男が二人もめているのを目撃し、その仲裁に入った火村。男の一方はマレーシア人、もう一方は日本人。なんとか二人をなだめることができほっと一息。その後宿に戻り異国の地でゆったりした時間を楽しむ二人。明くる日、現地で知り合った日本人の家にお邪魔している最中、その家の庭にあるトレーラーハウスで男の死体が発見される。死んでいたのは、昨日日本人と諍いを起こしていたマレーシア人。そして、状況は完全な密室。自殺か、他殺か。真相を解明すべく異国で奔走する火村。その後、今度は、死亡したマレーシア人男性と争っていた日本人の男も絞殺体で発見される!!火村と有栖に遺された時間は30時間!!帰国までのタイムリミットが迫る二人の前に、三度目の事件が・・・!!限られた短い時間で火村は事件を解決できるのか!? ---------------------- 火村&作家有栖シリーズ。 国名シリーズでは久々の長編ですね。最近ずっと短編読んでたから、長編読み切る自信がなかったんですが・・・杞憂でした(笑) 520ページにわたる大長編でしたが、物語に引き込まれてあっとういう間に読み終えました。 いや~長編はやはりいいですね。(短編ももちろん好きですよ♪)物語の世界にどっぷり浸かれちゃいますし★ 今回、火村と有栖、初の海外です。マレーシアに友人を訪ねた火村&有栖。そこで奇妙な密室で死体が発見されるのです。そして、二人目、三人目と次々に事件が発生する。犯人は誰?密室のトリックは?ドキドキもんです。これぞ本格推理ですね♪ 謎解きも最高によかったです。一生懸命考えましたが、密室の謎は(やはり)解けませんでした・・・( ̄~ ̄;)驚天動地のトリックでしたよ。ほぅ~!!と感嘆の声が漏れちゃいました。 んでもって、クライマックスも色々な意味でドキドキしました。スリル満点!!犯人を突き止めてドキドキ。そして、解決したーと思って空港に向かう車の中で再びドキドキ。手に汗握ります。(あんまり詳しく言うとネタバレになるのでもうおしまい!!) そして、特筆すべきは、有栖の英語です(笑)火村は英語ペラペラなので何の問題もないのですが、有栖の英語力は微妙。それゆえ、リスニングができない箇所があったりするんですが、それが「あなたのその×××(仮説か?)はその状況に・・・」みたいに表されてるんです(笑)×××の箇所を推測する有栖。笑えます(笑) リアリティがありますよね。読んでるとき、まるで自分が有栖になったかのように、一生懸命英語を聞き取ろうとして、わからない箇所は推測して。めちゃくちゃ楽しめます(*´▽`*) それと、有栖が拙いサムライイングリッシュを駆使して質問したりするセリフもすごい凝ってます。例えば、「あなたが知っていることを私は知りたい」のような調子で書かれているんです。これっていかにも英語を直訳しましたーー!!って感じの日本語ですよね?だから、日本語で書かれてはいますが、有栖はきっとこういう英語を使ったんだろうなーーと知らないうちに読みながら英語に変換しちゃうんですよ(笑) いくら、「」は日本語、『』は英語、と但し書きがついてても、読んでいてその雰囲気を読者が感じられないと意味がない。でもこの作品は、カギ括弧の区別がなくても、有栖のセリフに限っては、ここは日本語のセリフ、ここは英語のセリフって瞬時に読み分けがつきます。 いや~ディテールもこだわっているのがひしひしと感じられますね。さすがです。文字だけで、その違いを出せるのはやはりすごい筆力だと思います。感服の至り。 笑いも存分にあったし(何度声をあげたか!!)、トリックも仰天ものだし(どれだけ感嘆したか!!)めちゃくちゃおもしろかったです♪ ふぅ~。国名シリーズも残すところ『スイス時計の謎』のみです。満足感とともに一抹の寂しさも。でも、国名シリーズ以外も何冊か手元にあるので、もうしばらく有栖川ワールドを堪能できそうです★ === 203冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月09日 16時52分45秒
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