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テーマ:本日の1冊(3698)
カテゴリ:ノンフィクション
評価:★★★☆☆
1994年に起こったルワンダでの大虐殺についてのルポ。 映画『ホテル・ルワンダ』を観て(この映画は個人的にはいくつか不満点がありましたが・・・)ルワンダで一体何があったのか、詳細を知りたくなり購入したのがこの本でした。 老婆心ながら大枠を説明すれば、ルワンダでは長い間多数派であるフツ族と、少数派であるツチ族が争いを繰り返してきていました。そして、クーデターにより長年にわたるツチ族支配からフツ族支配へ変わってからフツ族のツチ族に対する虐殺が度々起こります。そしてその結果、1994年のナチスのホロコースト時の死亡率を越す大虐殺にいたりました。 ルワンダでの大虐殺は凄惨を極めるものですね。山刃などの原始的な武器で次々とツチ族を虐殺していく。百日間で85万人のツチ族が殺され、最終的には100万人が殺されたそうです。(この数字には疑義を呈する学者もいるようです。) こんな世界史上稀に見るジェノサイドであるにもかかわらず、映画を観るまで私は全く知りませんでした。世界中が無関心であったことや、ルワンダが隠蔽・瞞着したこともこの大虐殺が世界の人々にほとんど知らされなかった一因としてあるようです。 映画『ホテルルワンダ』ですが、ここではツチ族視点で物語りが進み、なぜツチ族が虐殺されるにいたったのかなど、詳しいことは語られていませんでした。しかし、この本を読むと映画を観た後とは少し違った感想が出てきました。 映画はあまりにもツチ族が被害者であり、無辜の民のように描かれていたように感じ、そういう意味では公平性を欠き、そこがひいてはさらなる民族対立を助長したりするのかも、と思ったり。 もちろん、ジェノサイドを肯定しているわけではありません。どんな理由があれど許されることじゃない。ただ、ツチ族を可哀想な被害民族、フツ族を残虐非道な民族と描くだけでは、この紛争の解決には全くならないんだと思いました。ジェノサイドという残虐な行為があったということは世界中が知るべきなんだけれども、単に「こんなひどいことがあったよ!!ツチ族可哀想!!フツ族サイテーー!!」ってなことを言うだけでは結局何も変わらないんだと思います。 ただただ被害者数をあげて残虐さを吹聴するだけではダメで、それがなぜ起こったか、紛争の根底にあるのは何なのか?そういったことを考えることこそが真の平和に繋がる一歩になるはずなんじゃないかな? ・・・とまーーエラそうな講釈述べましたが、この本、後半は斜め読みしちゃいました(;^ω^A そもそも、一冊読み終えるのに3日以上かかってたりします。 内容は興味深いことばかりだし、知りたかった情報が満載なんですが、いかんせん訳が・・・下手とかじゃなく、私は英語を日本語に訳した書物が基本的に苦手なんです。独特の文体になるでしょう?あれがどうも・・・。 でも、内容は濃いしとても勉強になるので、気合いが抜群で集中力がみなぎっているときにでも再読してみますね。 上巻はグダグダでしたが、せめて下巻ぐらいは腰を据えて読んでみます(笑) === 217目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年12月10日 06時39分31秒
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