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テーマ:本日の1冊(3698)
カテゴリ:あ行 男性
評価:★★★★☆
長編。 --- 梗概 ------------- 泥棒男、精神科女医、リストラ無職親父、神を盲信する青年・・・。全くの他人であり、おそらくお互いに知り合うこともないままおわっていくであろう男女四人。彼らと彼らをとりまく人々の人生が、運命なのか神のいたずらなのか、本人の知らぬところで交錯するとき、彼らの人生は少しずつ変わっていく・・・。そんな彼らの行く先とは・・・? ---------------------- 初めて読みました、伊坂幸太郎さん。ずっと前から気になってはいたんですが、なんとなく私には合わない予感がして、結局手を出せずに来ました。 そんでこれを読んでみて、途中でちょっとダレてきて「やはり勘はあたったか!?」と思いましたが、最後まで読んでみたら勘が外れたことがわかりました。おもしろかった。 この作品はすごいです。よくここまでうまく四人+αの人生を絡められたな~と、その手腕に驚きです。 奥田英朗さんの『ララピポ』みたいな感じですかね?正直に言えば、私は奥田さんのララピポのように、とことん救いようのない負け犬人生物語のが好みだったりします(笑)『ラッシュライフ』はなんだかんだでハッピーエンドなんですよねーー。 いや、それはそれでいいんですけど、きれいごとや理想論を抜きにとことん落ちていく物語の方がリアルでおもしろかったりします(*^m^*) 最後まで読んでようやく、最初のページにエッシャーの絵がのっていた意味が分かりますよ~。『騙し絵』か。なるほどね~こってます。とはいうものの、最後の最後でどんでん返しがあるわけではなく、読み進めるごとに一つ一つパズルははまっていき、最後にラストワンピースがはまって物語が終わります。 初めて伊坂さん読みましたが、作品に滲み出ている感性は好きかも。例えば、P217より。 「(略)『オリジナルな生き方なんてできるわけがない』私にそう言った」 「世の中にはルートばかりが溢れている、とね。そう言ったよ。人生という道には、標識と地図ばかりがあるのだ、と。道をはずれるための道まである。森に入っても標識は立っている。自分を見詰め直すために旅に出るのであれば、そのための本だってある。浮浪者になるためのルートだって用意されている」 すごくよくわかります。『サラリーマンにはなりたくねー』と歌ったのは確か尾崎豊さんだったでしょうか?(余談ですが、中学時代にすでに亡くなって“神”のようになっていた尾崎さんにハマった時期があります(;^ω^A )そういってサラリーマンにならずに夢を追い続けるのだって、伊坂さんのいうところの「道をはずれるための道」にしかすぎないんでしょうね。 『個性』とか『オンリーワン』とか言うのも所詮誰かがつくった道であり、『道のない道』もそれはまたそういう道であり・・・。 ん~考え出すと哲学しちゃいますね(;^ω^A ぐちゃぐちゃ書きましたが、何を言いたいかといいますと、とどのつまり、伊坂さんの他作品も読んでみます!!ってことです(笑) === 213冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年12月28日 14時23分38秒
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