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本の足跡

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2008年03月03日
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テーマ:本日の1冊(3697)
カテゴリ:童話

新美南吉童話集.jpg 【Amazonで購入】       【楽天ブックスで購入】

“新美南吉童話集”

評価:★★★★★

 

童話集。全20話。

● ごん狐   ● 手袋を買いに   ● 狐   ● 和太郎さんと牛

● 牛をつないだ椿の木   ● 一年生たちとひよめ   ● うぐいすぶえを ふけば

● こぞうさんの おきょう   ● 里の春、山の春   ● くまの こ

● げたに ばける   ● さると さむらい   ● ぬすびとと こひつじ

● お母さんたち   ● でんでんむしの かなしみ   ● 小さい太郎の悲しみ

● 久助君の話   ● 疣   ● 花をうめる   ● おじいさんのランプ

・・・(ρ_;)どれも素晴らしいです!!甲乙付けがたく、どれが一番よかったかなんて決められないくらい!! 

いくつかは、子供の頃に親に読み聞かせてもらった話もありました。でも、子供の時読んだのと大人になってから読むのとでは、全く違うものがみえてくる。感じられる。

童話だけあって、ストーリー自体は簡単明瞭。単純なんだけど、浅くなく、深みがある。含蓄がある。

童話って、大人になってから読むと綺麗ごとだけの理想論ばかりで現実世界から乖離したものって多々あるんだけど、新美さんのはそういったものとは一線を画してます。


どの話も、現実から目をそむけず、ままならないことを拒まず受け入れ前向きにいきていこうというメッセージが伝わってきます(*´ー`)

単純に、大人になっても子供のころの純粋さを忘れないでいよう。とか、子供が持つ理想の社会を大人社会にも求めるといった、バカみたいな理想論じゃないんですよねーー。


子供から大人になる道すがら、理想・理論通りには進まない現実に直面しても、腐らずにそれでも一生懸命生き抜こう。それが大人になることなんだ。って、そういうことを教えてくれます。

確かに、子供の頃って、正しいことが正しいと通るのが当たり前だったり、綺麗事や理想論を持ち出しても誰も非難しなかったし、それを実現することも、小さな子供社会では可能だったして。

でも、大人になるとそうじゃない。1+1が2にならないこともあるし、正しいことも正しくないとされることもあるんですよね。(例えば、極論で言えば、共産主義っていうのは究極の理想なんだけど、現実問題実現可能性はゼロ。)

人間の醜い部分も拒まず受け入れる。清濁併せ呑む姿勢が、どの話からも見られます。

子供たちは、子供時代の自由気ままな世界から、自分の思うようにはいかないこともあり、かつ他人と協調しあって生きて行かねばならぬ大人の世界へ少しずつ足を踏み入れる。それが大人になることだと、徐々に理解していくんです。

いや~素晴らしいですね。大人にも是非読んでもらいたいお話ばかりです(*^m^*)

=== 18冊目 読了 ===

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最終更新日  2008年03月16日 11時49分50秒
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