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カテゴリ:ノンフィクション
“老子・荘子の言葉100選” 評価:★★★☆☆
老子と荘子の言葉を各50個ずつ、計100個集めて解説をつけたものです。 うーーーむ( ̄~ ̄;)好き嫌い、読むときの気分によって評価は大きく割れるところですね~。 確かにものすごくいい言葉ばかりです。ただ、私はもっと煩悩にまみれた人間を少しだけ良い方向へ向けてくれるような言葉が好きなんです。なんていうかな、人間は汚い、利己的な部分があると認めたうえで語られる言葉というのでしょうか。そういうのが私好みなのです。 しかし、ここに取り上げられているのは、例えるなら『悩む事なかれ。悩みなぞこの大きな宇宙の中ではちっぽけにすぎない。』ってな感じのなんともスケールのでかいことがほとんど。 人間ってのはそこまで悟るのに時間がかかるし、悟れずに死んでいく人間がほとんど。そこまで達観できないのです。だから苦しい。 井上陽水さんの歌に『傘がない』ってのがありましたが、あれと同じ気持ちです。『傘がない』は、都会では自殺する人が増えていると新聞に書いてある。でも、自分にとってはそんなことよりも、雨が降っている今傘がないことの方が問題だ、というようなことを歌っているのです。 つまり、宇宙がどれだけでかかろうが、世界では自分よりもっと大きなことで苦しんでいる人がいようが、そんなことを知ったからといって自分の悩みが昇華するわけないということです。 今、彼氏と別れて悩んでいる女の子に、「世界では毎日食べるものがなく死んでいく人がたくさんいるのに、恋愛の悩みなんて贅沢だよ」なんて慰めて、その子が心癒されるでしょうか? そんなことをつらつらと思いました、読んでて(;^ω^A でも、ここまで皮肉って読む私も相当嫌なヤツだよな・・・。ちょっと落ち込んだときなんかにはいいエッセンスになるでしょうが、心底落ち込んでいるときにこんな仙人の悟りみたいなこと言われたら、私はやはり嫌だと思います(笑) === 29冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月29日 00時26分48秒
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