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テーマ:本日の1冊(3696)
カテゴリ:た行 男性
“K・Nの悲劇” 評価:★★★☆☆
長編。 --- 梗概 ------------- 若くして成功した夫との新しい生活。だが予期せぬ妊娠に中絶という答を出した時から、夏樹果波の心に異変が起こり始める。自分の中に棲みついた別の女-精神の病か、それとも死霊の憑依なのか。治療を開始した夫と精神科医の前には想像を絶する事態が待ち受けていた。乱歩賞作家が描く、愛と戦慄の物語。 (「BOOK」データベースより) ---------------------- 卑俗な言い方をすれば、刹那的なセックスの結果、望まぬ妊娠をした男女の葛藤を描いた本。 今まで読んできた高野氏の作品とは毛色がまったく違う。けれども、読後考えさせられるという点では共通している。 誤解を恐れずに言えば、私はでき婚には反対です。最近はおめでた婚なんて言って、ますます好意的な表現になってきてますが。 私の周りにもでき婚の子はいます。その子たちは今幸せだから、それを否定する気はないです。結果よければすべてよし。 ただ、前提として、でき婚っていうのはけじめがないことだという意識は必要だと思ってます。相手の男は、女の親に申し訳なく思うべきだし、女も自分の親に申し訳なく思うべきだと思います。 その認識を持ったうえで、結婚して幸せになればそれは誰も批判できないことです。 最近はけじめがないことがあまりにも多すぎる。刹那的な避妊もしないセックス。妊娠。その結果の結婚。 おいおい、結婚ってそんなもんじゃないだろって思います。結婚には覚悟もいるし、強い意志も必要。他人と一緒に新たな家庭を築き上げていくってことは、とっても大変なことなんです。 私は何もでき婚した人達を非難しろなんて言ってません。そんなことはもってのほか。 例えるならば、高校生の喫煙。若気の至りで、かっこつけて高校生が喫煙してしまうことはありますよね?でもそれは、前提として法を犯しており、してはならないことをしているという認識は持っていなければならないのです。 そのうえで、若気の至りで喫煙するなら建前上はダメでも本音では許してしまってもいい。 ところが、最近の未成年は、たばこを堂々と吸っている。どこが悪いんだ?みたいな態度で。そこが問題なのです。ダメだとわかっていてもしてしまうのは若気の至りですみますが、悪いということがそもそもわかっていないというのは大問題です。 未成年を擁護しすぎると、こういったモラルの低下が著しくなります。 つまり、でき婚も、手放しにおめでたいこと喜ばしいことという風潮を作っていくと、性モラルの低下や望まない妊娠・中絶、望まない妊娠によって結婚したことによる離婚率の増加・・・等々、日本人のモラル低下や結婚の意味の低俗化等の問題を惹起するのではないかと思うのです。 基本的には、子供は結婚した後に作るものだという共通認識を持つべきです。そのうえでできちゃった婚なら仕方ない。幸せになればそれでいい。 しかし、子供は結婚前でも後でもどっちでもいいじゃん~なんていうのが共通認識になるのは問題だと思います。 よく、「結婚する気があるんだから、子供ができてから結婚して何が悪い?」って言う方がいますが、私は逆にこう問いたい。「結婚前に子供を作る理由は何ですか?」と。それに明確で説得力ある答えがあるならいいですが、合理的理由を答えられる人は多くないと思います。 私は、避妊しないような男は嫌いです。本当に女のことを思っているなら避妊するはずです。 男に避妊させない女も嫌いです。望まない妊娠をして苦しむのは結局女なんですから、もっと自分の体と、宿る可能性のある命のことを真剣に考えて欲しい。 ・・・とまぁ熱弁をふるいましたが(;^ω^A このくらい色々考えさせられる本だったということです! 私は決してでき婚夫婦を否定しているわけではありません。私の周囲のでき婚夫婦のことは、本当に幸せそうでみていて笑みがこぼれるばかりです。 うまく説明できず、誤解を招き、この記事を読んで不快になられる方がいたら申し訳ありません。先に謝っときます(笑) === 32冊目 読了 === お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月17日 20時16分27秒
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