本の足跡

　完本茶話（上） 

評価：★★★★★

大正～昭和にかけて、新聞・雑誌で連載されていたコラムをまとめたものです。

コラムは連載時のまま収められているので、当時の言葉・価値観・視点etcを知ることができ、とても楽しいし勉強にもなります。

特に印象深かったのは、何かにつけ「西洋ではそうじゃない！！」と言ってはばからず、着用するのは洋服ばかりで、和服を決して着ない某女史の話。当時から西洋かぶれのフェミニスト女っていたんだなぁ。と感慨にひたっちゃいました（笑）

とにかく、どれもこれもすっごくおもしろい！！読みだしたら止まらない！！でも、千夜一夜物語みたいに、毎晩一話づつ読んでいくのがいい(*´∀｀*)だって、一気に読んだらもったいないんですもの。この楽しみは少しでも長く味わいたいもんです。

自分の言わんとすることを簡潔に述べる。それって非常に難しい。とかく自分の主張ってのは長くなりがちで。もちろん私もですけど(笑)

薄田泣菫は、それを簡単にやってのける。彼のコラムは、簡潔・明瞭であるだけでなく、風刺をきかせたり、諧謔を弄したりと、エスプリに富んでいる。

著名人を褒めてみたり、おちょくってみたり。巧妙な筆致は圧巻。

絶妙な言い回し、先を読ませぬ文章展開には舌を巻きます。

これだけのコラムを書くには、文章力はもとより、博識さが欠かせない。薄田泣菫の文才と該博さにはただただ感嘆するばかり。

これほどおもしろいコラムが掲載されている新聞があるなら、コラム以外がくず記事でも新聞をとる意味があるとさえ思う。

これは是非読んで欲しいです。私の語彙力と筆力では、このコラムのおもしろさを説明するのは難しい。不徳の致すところです。だからこそ是非とも一度読んでいただきたい！！たまらなくおもしろい！！これは私の生涯ベスト本に入るのは間違いないと確信しております(*ﾟ∀ﾟ)=3

先に書いたように、新本を入手するのは困難になりつつあります。すでに中古本の価格も上昇してきているので、是非ともこの機会に新本を購入されることをお勧めいたします！！

私は、Amazonで中古を買ったんですが、こんなにおもしろいなら新本を買えばよかったと、後悔しております・・・一文惜しみの百失いとまでは言わないけどもさぁ・・・(´；ω；｀)これは新本を買って大切に保管して何度も読む価値ありですぜヽ(・∀・)ゝ

===　33冊目　読了　===