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本の足跡

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2011年03月07日
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テーマ:本日の1冊(3696)
カテゴリ:ノンフィクション

 職ニ斃レシト雖モ

評価:★★★★☆

 

--- 梗概 -------------

深海の底で死を待つだけの潜水艇内、艇員は冷静に各々の持ち場を守り、艇長は手帳に事故経過と遺言を書き続けた。世界中が驚嘆し讃嘆した、サムライたちの高貴なる魂を今、呼び起す。(「BOOK」データベースより)

-----------------------

遺書には、天皇の艇を沈め部下を死なせたことを詫び、潜水艇の発展を願い、事故の顛末を詳細に認め、部下の忠誠については二度にわたって記し、心に掛かることは部下の遺族のことのみであると書き連ねてある。明治時代である。当時、一海軍大尉が、天皇に対して部下の遺族の救恤をと願う書き付けを粗末な手帳に残すなど畏れ多いことで、到底考えられるものではない。艇長がいかに部下を愛し、死に際してその遺族の行く末をどれほど案じたか、察するに余りある。

(P163より)

 

以前『佐久間艇長の遺書』を読んだ際、佐久間艇長の生涯や当時の潜水艇をとりまく事情、事故が起きた時代背景等、もっと詳しく知りたくなり本書を手に取りました。

知りたかったことが網羅されていてとても勉強になるとともに、あらためて佐久間大尉をはじめとする第六号潜水艇の乗組員たちの最後に涙を禁じ得ませんでした。

 

当時は潜水艇研究黎明期であり、事故も多発。それゆえ、潜水艇不要論を説く人も多かった。そんな中で起こった悲惨な事故。

佐久間大尉は自分たちが乗った潜水艇が事故にあってもなお、この事故が原因で潜水艇研究が滞ったり、先細ってしまうことを心配するのです。

そして、そうなってしまわぬよう、事故の原因、自分たちがどう対処したか等全てをつぶさに書きしるしている。そして、この記録を潜水艇のさらなる発展に役立てて欲しい、とも。

 

また、佐久間大尉だけでなく、第六号潜水艇に乗った十三名の乗組員の人柄に触れる記述も多くあり、なおいっそうこの殉職事故に対して感慨が深まりました。

潜水艇は日本海軍の戦力となると信じ、その発展のため第六号潜水艇に乗り込んだ優秀な十四名。

彼らの生涯や事故の詳細はもとより、事故後開かれた事故査問委員会について、その後の日本の潜水艇研究の発展等、彼らの殉職後に起こった多方面での動きも清濁問わず書かれており、非常によかった。

 

素晴らしいとか、大和魂だとか、安っぽい使い古された言い方をすることで逆に佐久間大尉らを卑しめてしまう気がするのであまり書きません。

ただ、本当に、その至誠の生き様には敬服するよりほかはありません。

=== 39冊目 読了 ===






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最終更新日  2011年03月07日 01時35分54秒
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