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本の足跡

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2011年10月01日
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テーマ:本日の1冊(3696)
カテゴリ:ノンフィクション

 【中古】文庫 日本の危機 2

評価:★★★★☆

 

 

納税は道路や水道や教育や治安等の行政サービスの対価である。納税が選挙権に結びつくことはない。

(P359より)

 

私淑してやまない憂国の士。

今回も硬質で論理的であり、深い洞察と慧眼鋭い意見に圧倒されます。

彼女のすごいところは、ジャーナリストというだけあって、多方面に一家言をもつこと。

どの分野にも精通しておりかつ独自の視点と意見を持っておられる。

彼女のぶれない姿勢と常に学び続け、向上し続ける貪欲さに感嘆させられます。

好きです。本当に。凛とした生き方、美しい挙措、揺らがない信念。それらはすべて彼女の自信に裏打ちされているから素敵です。

根拠のない自信や軽佻浮薄な意見しかないのにしたり顔で意見を述べて恥じない人たちの多い中、櫻井氏のような真の憂国の士には頭が下がるばかり。

櫻井よしこさんの存在を感じるだけで生きる希望になります。

 

内容はいつものように深い洞察と奥行きある意見で素晴らしい。

特に外国人参政権問題に言及した章はとても考えさせられるとともに溜飲が下がる。

当たり前のように言われている、税金納めてるんだから選挙権くれ(あげろ)という荒唐無稽な話。

もちろん、納税と選挙権っていうのは全く別次元の話なのは当たり前だけど、その当たり前がわからず論理をすり替えて平気で権利主張するやからが内外問わず多すぎる。

なら、なんらかの事情で税金払えない人は選挙権はく奪されるべきなのか?学生や職のない人、年金暮らしのご老人に選挙権があるのはおかしいのか?納税者が選挙権もらえるなら、海外でブランド品買いまくって向こうで消費税払いまくってる人たちは選挙権が両手から溢れるだろうね。

選挙権ってのは国民固有の権利。日本のために尽くす精神も義務もない人々が、日本に住んでいるというだけで国政に口を出せるようにするなんておそろしすぎる・・・。もしそんなことが可能になったら、彼らは自分たちの都合のいいように国政を動かしたり、自分の国の利益になるように日本を変えることもできるようになる。そして、日本の内側からぼろぼろにした後、彼らは日本国民でないということを理由にその責任もとらず自国に帰ってしまうこともできる。

選挙権ってのはその国の生殺与奪の権を握ること。だからこそ、その国の民にしか与えられるべきでないのです。だってさ、人はいざとなったら捨てられるようなもののことを真剣に考えないでしょう?利用できるなら利用するだけでしょう?国民だからこそ、自分たちの現在や未来の問題だからこそ真剣に考えるんだから。

卑近な例で言えば、家計かな。自分の家計のことはその家族だけが一生懸命考える。夫婦や子供の将来のこと、現在のことはまさに自分たち自身のことで、何かあっても責任をとらなきゃいけないのは自分たちだからこそ、真剣に考える。お金をどうやって使うか?子供たちの未来のためにいくら使うか、夫婦の将来のために何がどれだけ必要か等。

でも、それが自分たちの関係ない家計ならどうでしょう?正直そこまで真剣に考えますか?だってその家族が破たんしようが自分たちには何の関係もないですもの。責任もないし。それこそ、もし自分たちの利があるなら、他の家計が多少苦しくなろうが構わないってのが本音だと思います。

つまり、外国人参政権を与えるってことは、他人に自分の家計に口出させる権利を与えるようなものです。ボーナスはこれに使えとか、子供の進学先はここにしろとか、そういうことに他人に口を出す権利を与えるんですよ。でもそれで子供の未来や家計が破たんしても、他人は責任とらないでとんずらするんですよ?だって他人ですもの。

外国人参政権を与えるってのは生殺与奪の権を他人に委ねるってことで、普通に考えりゃあり得ないし恐ろしいことなのです。そんなことも分からない馬鹿のなんと多いことか。

とまぁ、色々と意見をだらだら述べてしまうのが私の無能なところですが(笑)櫻井氏は簡潔明瞭にズバッと一刀両断しておられていてさすがです。

その中でもぐうの音も出ないほど簡潔明瞭なのが冒頭で紹介した一文。さすがは櫻井氏。この一文を幕にして日本中に垂らしたいくらいだわ。

 

これが書かれたのはずいぶん前で、内容は現在とはかなりタイムラグがありますが、過去の日本を学ぶ意味で有意義。

そして、日本が、過去から何も進歩していないどころか、後退していたりもする現在を思うとげんなりします。

でも、櫻井氏のような憂国の士がいらっしゃるということは、日本はまだ大丈夫だと思えます。彼女は日本の未来を照らす一条の光(*´∀`*)

=== 93冊目 読了 ===






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最終更新日  2011年10月03日 18時04分44秒
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