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2008年02月12日
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カテゴリ:学ぶ


 漢字は楽しい

 子どもの頃、漢字の書き取りが大嫌いだった。何の興味も
関心もないのに国語の教科書に出てきただけで、同じ漢字を何度も書かされて翌日にはテストされる。

 子どもの漢字嫌いの元凶は、子どもの興味、関心と無関係に、機械的にこの学年は、こ
の漢字を覚えること!という文部省の一方的な配当にあると思う。本来子どもは、漢字が大好きなのに。

 それと、読むことと書くことをほとんど同時にやらせることにも無理を感じる。
読めることと、書けることには時間的に言っても、タイムラグがあることの普通なのだ。読める漢字を書くことは楽に出来るけれど、読めない漢字を書くことは不可能に近い。そして、読むことだけなら、幼児期のかなり早い段階でも、現実の楽しい経験と結びつけば、簡単に覚えられる。おそらく、覚えようなんて意識もないくらいに。

 絵本の読み聞かせをしている中で、ひらがなもカタカナもいつの間にか読めるようになっていた・・という経験を持つ親は少なくないだろう。実は、仮名だけでなく、漢字も読むことは、大人が(あるいは文部省が)考えているよりも、簡単に身につくのだ。今のように、機械的な押しつけさえしなければ・・・。

 katakuriの場合
カタクリは、赤ちゃん絵本の時代から、本を読み聞かせしてもらうことが大好きだった。その中で、ひらがなも、カタカナもかなり早い段階で自然に覚えてしまった。
只、カタクリの経験でユニークだったのは、仮名といっしょに、漢字を書いて貼り付け、絵本の世界で遊ぶ中で漢字の読みも楽しく自然にいつの間にか覚えてしまったことだ。

 今のカタクリ(15歳)に思い出してもらうと、小学校にはいる前に中学までの漢字のほとんどは読めていたという。英語のフォニックスの場合でもそうなのだけれど、読みについてもパーフェクトを求める必要は全くない。90%が読めれば読書にはほとんど支障がない。そして、のこりの10%は無理にがんばって覚えようとしなくても必要に応じて、そのつど実際の文脈の中で調べてゆけば簡単に読める漢字を100%近いものに出来るのだ。

 カルフォルニア大学大学院言語学教授スティーブン・クラッシェンの「読書はパワー」に述べられているように、母国語も、外国語も真の言葉の力(リテラシー)をみにつけるために、ほとんど唯一、最大に有効なのは自由な読書・楽しみのための読書だという。英語の場合の、文法や意図的なボキャビルのためのワークやテストは、ほとんど効果が無いと言われている。

 日本語の漢字は、読書を楽にたやすくするための不可欠な要素なので、絵本を読み聞かせる段階で楽しく漢字に出会わせてあげることが大切だと思う。おそらく、多くの子どもが、絵本に漢字を書き込んであげることで、ひらがなやカタカナを読めるようになるくらい容易に、漢字を読めるになると思います。

 読めるようになっていれば、必要に応じて書くことも、さらに読書を通じて読める漢字を増やすことも、困難が無くなるでしょう。

 たとえばカタクリの場合、小学校に入って「日記を書くこと」が宿題に出て、それが楽しくて仕方ありませんでした。言葉で自分の思いを表現出来る事は子どもにとってはとても楽しい経験なのです。自分で読める漢字を今度は自分でチェックしながら書ける!!それは、とてもわくわくする経験だったのです。ところが、せっかく日記を書くという良い方法を使いながらそのときの先生は、「学校で習った漢字しか使ってはいけない」と自分で調べて学ぶということを禁止してしまったのです。それは、漢字が大好き、調べて自分で学ぶことが大好きだった
カタクリにとっては大変な驚きで、ショックだったのです。

 読みのベースがしっかり出来ていれば、書くことはごく自然につながるし、最小限の努力で(退屈な繰り返しをしなくても・・・退屈な繰り返しの強要は勉強嫌いを助長する)書くことも出来るようになるのです。

 漢字の読み書きという点でも、単純な反復練習よりは、読書の方が自然に身につくようです。

 さらに、カタクリの漢字の世界と興味を深めたのが、白川静先生の世界にまなんだことです。漢字はそれぞれの部首で音要素と意味要素をもち、一つ一つ調べてみると、構造的にも歴史的にもとても楽しいものなのです。

 たとえば、今読んでいる本の中で適当な熟語、たとえば「友愛」という漢字を選びます。A4の紙の真ん中にその字を書き、その一つ一つの成り立ち、意味
類語・反意語とうとうどんどん調べてゆくのです。それを、やって見ると漢字への興味が泉のように湧いてきます。漢字文化の人間の喜びを感じるときです。

 興味と喜びが、覚えることの前提です。退屈なつまらないことは覚えられないように、人間の脳は出来ているのです。漢字の楽しさに気が付くと、強制されなくとも、テストでおしりをたたかれなくとも、楽しく自然に、覚えるなって言われても覚えてしまうものなのです。

 ほかの教科でもそうなのですが、記憶のための最大の敵は、つまらないことを覚えろ!!と無理強いすることだと思います。

 楽しいことにはすばらしい能力を発揮できるそれが人間の能力だと思います。

参考図書


白川静さんに学ぶ漢字は楽しい


神さまがくれた漢字たち


 

読書はパワー






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最終更新日  2008年02月12日 14時22分46秒
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