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2008年02月21日
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カテゴリ:学ぶ


      リーダソン 本読みマラソン
                 楽しみの読書を身につける

 katakuriがイギリスにいた頃、小学校ではリーダソンが盛んだった。カードに自分が読みたい本を書いて、友達や周りの大人にこれを読むことチャリティーにするということでお金を集める。あとで、クラスで集計して、セーブ ザ チルドレン・・等々、様々な団体に寄付をする。読み終われないでお金がもらえなかったり、もらったお金でお菓子を買ってしまったり・・なんてハプニングもあるけれど、子どもが本に親しむ、一つのきっかけにはなっているらしい。本を読む習慣も身につくし、自分の手で集めたコインが、アフリカの子どもの饑餓を救ったり、野生生物の保護に役立ったり・・と世界に目を向けるきっかけにもなる。さらに、小さい頃から、人のためになにかすることの喜びを経験出来る事もすばらしい。

 小さいときには、毎日教室に寝転がって先生の読むお話を楽しむ時間がある。一年に一回、一週間学校の図書館に本屋さんが来て、子どもの本屋さんが店開きする。それも、毎年の楽しみだった。ほとんど全員、毎日図書館から本を借りて本を読む。

 アメリカにも、カナダにもこのリーダソンというシステムはあるらしい。最もイギリスと比べると、テャリティーの要素は、だいぶ薄いようだけれど、。

 先日、NHKでフィンランドの元教育相が話しているのを聞いたけれど、彼は
「フィンランドの国民が、大人も子どもも本を読むことを楽しむ文化的な伝統がある」
と誇らしく語っているのが印象的だった。

 子どもの、読み書き能力(母国語の力・さらに外国語も含めて)を培う、最もだいじな要素は、干渉されたり、強いられた読書ではなく、自由な読書にあるということが、かなり幅広い国で定着しているようだけれど、日本のこども達は、学校の中でも自由な読書を励まされ、その習慣を身につける試みが、あまり見られないのはとても残念に思う。

 英語の単語などでも、一つ一つバラバラに取り出されて覚えても、定着率が悪いし、すぐにあらかた忘れてしまう。一方で、漢字などもバラバラに教えこみ、無理に覚え込ませようとするよりは、幅広い読書体験の楽しみの中で漢字に親しんでいれば、無理なく無駄なくしかもたのしく、書くことも含めて定着してゆくのだけれど。

 英語の場合でも、とにかく読む。わからないところがあっても、辞書を引いたりして立ち止まらず、とにかく読み切ってしまう。そのようなたのしい体験が、言葉の定着に最も効果がある野だけれど、日本式の受験英語では、12年もそれ以上もこれだけ時間とエネルギーを費やしても身につかない野は、やはり学び方あるいは与え方に問題があるとしか思えない。それでも、疑問を持つこともなく、自分の能力のせいにしたり、
「どうせ、だめだ!!」と酸っぱいブドウの狐さんになったりする。

 ハリー・ポッターはもう英語版は完結したけれど、あの本がイギリスのこども達のこころを虜にして、本に引きつけたあの引力は大変なものだった。あの、厚い本を7冊読み通すだけでも、ずいぶん読むことの自信と楽しさを手に入れたに違いないkatakuriの場合もそうだけれど、子どもによっては、ぼろぼろになって暗唱してしまうほど、読んでいた。

 自由な読書の習慣が身につくと、楽しみながら、しっかり学力の基礎を身につけることが出来るのだけれど。カリフォルニア大学の言語学者クラッシェン教授の「読書はパワー」にも、長年のデータが、そのことを立証している。ボキャビルや文法問題、解釈などを個別に取り出したりワークにしてもとても効率が悪い上に、こども達はちっとも楽しめないのだ。

 知識の詰め込みに追い立てるのでなく、静かに楽しみの読書の世界に浸れる
そんな時間を、こども達に確保してあげたいものだと思うのだけれど・・・。

 katakuriによると、本を読むことの楽しさは、大好きなチョコレートを食べる喜びと同じくらいの喜びだという。私自身も、小学校から帰って、寝っ転がって借りてきた本に読みふける・・あの時間は、最上の至福のときだった。

 あの時間があったからこそ、嫌な授業があっても、嫌な試験に悩まされても、学ぶことは人生の最大の楽しみ・・喜び・・と思えるようになったのだと思う。

     言語学者・クラッシェン カリフォルニア大学 大学院教授著
読書はパワー

 

 






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最終更新日  2008年02月21日 22時03分23秒
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