カテゴリ:菓子
和菓子の特徴の一つに、季節を形にしたものを作ることが挙げられます。
和菓子は茶道と結び付きが強いため、季節の移り変わりに敏感な茶道の要求とともに発達してきたのでしょうか。 旬の食材でおいしい和菓子を作ることは、結果として季節限定商品を作り続けていることになり、マーケティング的にはよい戦略になっていると思います。 仕事柄室内での仕事が長いため、季節の移り変わりを感じることが少ないのですが、出勤時のわずかな外出時間の時に、山の香りや気温の変化に春を感じることがあります。 春は特別な季節で、何かが始まるようなわくわくした気分になりませんか? 春の和菓子といえば桜に関するものを思い浮かべます。 「春 和菓子」をキーワードにネットで検索していると、塩野の和菓子を見つけました。 東京赤坂にある老舗の和菓子屋で、皇室からの注文もあるという名店なのだそうです。 さらにこちらに詳細な画像がありました。 「花衣」と「桜の干菓子」の美しさに惹かれ、これは是非一度頂かなければ!と思い、お約束通りに注文しました(^^;)。 取り寄せ可能とのことでしたので、お店に電話をして注文をしました。 生菓子を取り寄せできるのか不安でしたが、大丈夫とのことでした。 丁寧に応対して頂き、花衣2個とおまかせで上生菓子を4個、さらに桜の干菓子20個を1箱お願いしました。 金曜日の午前中に注文し、土曜日の午後には届きました。 左が桜の干菓子、右が上生菓子です。 上生菓子は1個ずつ感想を防ぐための容器に入れられ、固定されています。 上品で美しい和菓子です。 花衣は桜の寄せ型で型抜きしたういろう生地で、黄身餡(白こしあんに卵黄を混ぜたもの)を包み、ういろう生地をひらひらと左右に折りたたんだ和菓子です。 ういろう生地の厚みは2mm、直径は11cmと薄くて大きな生地です。 上に折り重なっている花びらが、何とも風雅です。 頂いてみると、もっちりした淡泊なういろうに、黄身風味が濃い黄身餡が合わさり、上品な甘さの美味しいお菓子です。 桜の干菓子は3種類入っています。 上段より山桜、吉野桜、八重桜なのだそうです。 優しい色合いの美しい形をした干菓子です。 山桜と八重桜の下の部分(半透明な桜)は、干し琥珀(艶干し錦玉)という半生菓子で、普通の寒天より堅くて甘い寒天(錦玉羹)を深桜型の生抜きで抜き、自然乾燥させたものです。 乾燥させることで回りがぱりぱりの砂糖衣になり、表面はしゃくしゃく、中はぷるぷるした食感になります。 吉野桜と八重桜の上の部分は寒氷(すり琥珀)で、干し琥珀よりさらに甘い寒天を作り温度を下げることで砂糖の再結晶を計り、不透明の寒天を生抜きで抜き、自然乾燥させたものです。 抜いた後の製法は干し琥珀と同じで、表面はぱりぱり、中は砂糖が多くしっとりした食感になります。 干し琥珀と寒氷は砂糖が多いため、2~3週間ぐらい日持ちがします。 贈り物に最適です。 味は砂糖と寒天で作るお菓子なので、それらの素材の味しかしませんが、単純だからこそほっとするような味で甘過ぎず、お茶と一緒に頂くとおいしいです。 京都の和菓子と比較すると、新鮮な作りたての風味が薄い感じがしますが、取り寄せだからかもしれません。 よい素材を使って美しく上品に仕上げた和菓子です。 これから桜の季節が始まります。 美味しい和菓子と一緒に、春の気分を味わってみてはいかがでしょうか。 塩野 東京都港区赤坂2-13-2 電話 03-3582-1881 営業時間9時~19時(土・祝日~17時) 定休日 日曜日 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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