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カテゴリ:読書
『苦境…他』の最後に掲載されている『ケツの狂躁病者に』は、1947年に書かれ、1948年夏に刊行されたそうです。 これは頼まれて読んで書いたみたいですね。 以下引用です。 私はたいしたものは読まない、そんな暇はない。さんざんたわけたことをやったり監獄に入れられたりで、そりゃもうとっくに何年も無駄にした! だけどみんながせっつくわ、かき口説くわ、やいのやいのいうわ。なにがなんでも論説みたいなのを、ジャン-バティスト(ばか)・サルトルの『ある反ユダヤ主義者の肖像』てのを読まなきゃならんらしい。で、その長ったらしい宿題にざっと目を通す、一読する、可もなし不可もなし、なーんでもありゃしない、模作だ……一種の《なぞり書き》…… ※サルトルの名前は本当はジャン=ポール・サルトルです。 サルトルはカミュとも論争してましたよね。 んでサルトルはバタイユにもコケにされてます🤣 こちら↓↓↓サルトルの『聖ジュネ』についてバタイユ評です。 ジョルジュ・バタイユ『文学と悪』●ジュネ● サルトルとボーヴォワールって、ジョンとヨーコみたいなカップルだなあと思いますねぇ。悪い意味で。 さらに引用です。 私もかなりの数ケツに引きずってるんだ、その手の下らん《なぞり書き》どもを…… 何をしてやれる? 息の詰まるような、執念深い、臆病な、ひどい裏切り者の、半チクのヒルみたいな、半人前のさなだ虫みたいな連中だ、ちっとも私の名誉になんかなりゃしない、噂をするのもまっぴら、それだけのこと。 いやあもう、気分爽快になります。 そして、サルトルの許せない所はココです。引用します。 それにしても四六二頁、小糞ッ垂れめ、空いた口が塞がらん! ああ! いまいましい腐れケツめ! よくもまあ、なんてこと書いた? 《セリーヌがナチスの社会主義的主張を支持したのは、買収されたからである。》原文どおりだ。置きゃがれ! つまり、私が監獄に入れられて、絞首刑の危機のまっただ中にいた間、この小糞蛆が書いてたのがこんなことだ。 解説によれば、サルトルの指摘している、ナチスによるセリーヌの買収は、事実無根だそうです。 私、サルトルは小説だけ書いてれば良かったと思うんですよ。 『嘔吐』とか結構良いと思いますよ。 哲学とか言い出してから滑稽さを晒したような気がするんですが…。 まあ実存主義とかは書いても別に良いんですが、何故論争とかしたがるか、なんですよ。 個人の感想ですが、明らかに嫉妬でカミュやセリーヌに噛み付いてる気がするんですよね。なんかそういう部類の人だと思うんです。 こういう厄介な人、いますよね😩 ちなみに、訳出に際しては生田耕作氏の(『うじ虫に答える―サルトル著『ユダヤ人』への反論―・「海」・一九七一・四)を参照したそうです。 この『苦境…他』は、以前も書きましたが、磯野秀和・池部雅英・浅井喬男 の三名の訳で、誰がどの訳なのかの表記はありません。 巻頭にあった大学生の頃のセリーヌがとても素敵なので、UPしますね。 クリックよろしくです☺️ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 9, 2021 05:21:27 PM
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