テーマ:読書(8487)
カテゴリ:読書
精神
フランシスコ・ダンコニアは、たかり屋を養う事は罪だとダグニーに言います。 生産者から搾取するたかり屋が栄えるのを助けているからです。 たかり屋の世界を滅ぼすには、愛する自分の鉄道を捨てる事であり、それでダグニーは葛藤します。 次のフランシスコのセリフは、とても好きです。 錆びた鉄と腐った機関車を全部やってしまえばいい──だが精神はだめだ! 精神を渡してはいけない! 世界の運命はその決断にかかっているんだ! この小説で唯一気になったのは、メインの人達が、あまりにも天才ばかりだと言う点です。 ルックスも完璧です(笑) 実際は、例えばリアーデンの会社の従業員も揃ってゴールトの世界に移動している訳で、我々のような天才でない一般人も助かるとは思うんですが、エディー・ウィラーズや、ジム・タッガートの奥さんになったシェリルの行く末が、自分には納得の出来るものではありませんでした。 天才ではない一般人はどうなるのかが、いまいちわからなかったのが気になったものの「無能な人間は見殺しか」という批判的なレビューを見かけますが、そんな事は書いてないと思います。 私たちも搾取されている側ですから。 ジム・タッガート等は無能なクズですが、最も邪悪な人殺しです。 こういうのは滅ぼされて当然でしょう。何の援護も出来ないですよ。 ずば抜けた才能の無い普通の人々と、何も生産せずに生産者から絞りとるクズと一緒にして論じているのは間違いでしょう。 雑貨店の店員だったシェリルのお店に、ある日ジム・タッガートがやってきます。 彼はタッガート大陸横断鉄道の社長なので、シェリルは出会えた事に喜び、尊敬の目で見ます。 ジムがシェリルを結婚相手に選んだのは、まさに「憐れむ事の出来る」相手だからでしょう。 ジムにとっての結婚とは「可哀想」だからの結婚でなければならないのです。 そして、実際ジムは何もせず、鉄道を動かしているのがダグニーだという事をシェリルはだんだん知る事になります。 そしてジムが「愛」と言ってるのは「憐れみ」です。 シェリルが実際素敵な女性だったとしても、そんな事はジムは気が付きません。 素敵で自立した女性であってはならないんです。 ジムが助けているように思わせないといけないんです。 シェリルがジムに言ったセリフを引用します。 あなたたち福祉家は……あなたたちが奪いたいのは精神なんですわ。値しない精神── 人を助けているふりをしながら精神を奪うのが「たかり屋」連中です。 ダグニーの部屋に行ったシェリルに、ダグニーはこう言いました。 シェリル、あなたが戦っているのはすべての人間の苦しみをもたらしてきた歴史上もっとも重大な問題なのよ。あなたはたいていの人びとよりもずっと多くを理解した。苦しんで死ぬ大勢の人は、何に殺されたかを知らずに死んでいくの。 こういう気付く事が出来る人は大変貴重だと私は思います。 そうやって少しづつ仲間を増やさなければいけないのに、シェリルの結末は、こうはして欲しくなかったと思ったものでした。 気付く人達、仲間が増える事での明るい未来、というのが自分としては望ましかったです。 どうも現状と重ねて読んでしまいますね。 長くなったので、次に続きます😅 多分次回で終了です。多分。 クリックよろしくデス☺️ CDの宣伝失礼しますm(_ _"m)ペコリ 昔やってたレディースメタルバンドCARMILLAのLIVE ALBUMです。 80年代インディーズメタルファン、スラッシュ・パワーメタルファンの方、ちょーオススメです。 音質は良くないんですが(;・∀・)めっちゃ熱い当時のライブを体験してください!! S.A.Musicさん、ROCK STAKK RECORDSさん等で話題になりました😄 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 23, 2021 05:06:09 PM
コメント(0) | コメントを書く
[読書] カテゴリの最新記事
|
|