「ラストフレンズ」
物語の内容が衝撃的なのと上野樹里の好演で視聴率はどんどん上がっていったとか。確かに上野樹里は今までのイメージとはまったく違って、力量の広さをみせつけたというか。相手が長沢まさみだっただけに(いままでの他の役と変わらない。素人目に見てもうまくない)、ますますその上手さが際立ったというか。それにしても内容はせっかく期待を持たせる前提がそこここに準備されているのに、なんだかあっさり終わらせてしまってがっかりがたくさん。瑠可(上野樹里)の性同一性障害は、本人は「海外へ行って手術」とまで思い悩んでいたのに、医者に「まだそれほどまでじゃない」と様子を見るように言われ、タケルと父親にそのことを受け入れてもらったらそれでなんだかおさまってしまって。それでいいのか?他人に受け入れてもらうだけでおさまるものではないと思うんだけど。宗佑(錦戸亮)のDVから逃げていた美智留だけど、逃げて逃げおおせたんじゃなくて、結局は騙されてまた戻ったりして(それで妊娠しちゃったし)、宗佑本人の自殺で解消されて終わり・・・ そういう解決でいいのか? 美智留の出産はハイリスクだとか言ってたけど、出産そのものは特に何があるわけでもなく、フツーに子どもが生まれてハイ終わりで、それってハイリスク出産の設定はなんだったんだ・・・?タケルの幼少時代のトラウマも、結局「姉に性的虐待(いたずら?)を受けていた」らしいけど、きちんと語らせてないから中途半端なままだし。どんな生き方でもいい、自分が自分らしく生きていられれば。そしてそのために、自分を理解してくれる友達は大切。そんなことが言いたいことなんだろうけど、なんだか物語のいろいろな劇的設定の割にその伏線をうまく生かせず表面的なストーリーで終わらせられたような感じがする。