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草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2024年05月16日
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(ヒッキーの話の続き)そして俺は彼女に誓っていたんだ、もう二度と過ちを犯さないと。それ

で、またもや同じことをエブリンに宣誓したんだよ、今度が本当に最後だって。俺には分かった

んだ、彼女の眼が憎悪と愛情でしのぎを削っている様が、愛情がいつも勝利した、彼女は俺にキ

スして何事も起こらなかったかの様な振りをした。まるで俺が仕事の旅行から帰って来たばかり

のように。彼女は決して不平を言わなかったし、叱りつけたりもしなかったよ。(怒りと憎しみ

を秘めた苦悩を爆発させた)神様、彼女が如何に俺を最低の獣同様の犯罪者と感じさせたか、理解

できるかな。彼女は一旦俺を許してしまうと、俺が首尾よく更生するというパイプドリームを固

く信じて微動だにしなくなってしまうのだ。が、その時は例外だったよ。エブリンは地獄みたい

に茫然自失してしまった。彼女は何事に関しても一度こうと心を決めてしまうと、明日はそれが

実現するだろうと信じて。そうした古い物語が、繰り返し、繰り返し、何年も、何年も続いたの

だよ。それは澱のように積み上がり続けた、彼女の内部で、そして俺の内部で。神よ、君らは思

い描けるだろうか、俺が彼女に迷惑を掛けた全てを、彼女が俺に感じさせた全ての罪悪感を、そ

して俺が如何に自分を憎悪したかを。ただ、彼女があんなにも俺に親切にしさえしなければ、俺

が夫としてそうだった様に、彼女が妻としてそうであってくれさえしたならば…。神よ、俺は

時々祈ったものだ、彼女が…、俺は本人にこうも言ってみたよ、さあさあ、何故君はそうなんだ

い、エブリン。それは俺を正しく導いてくれるよ、全然構わないことさ、君を許すよ、と。勿論

俺はまるで冗談を言っているようにして見せたよ、あの流儀でさ、彼女が干し草の中で氷屋と一

緒にいたと此処で洒落のめした、あの流儀でさ。彼女は恐らく非常に傷ついたろうと思う、もし

俺が同じことを深刻に告げたとしたら。彼女は恐らく俺がもう彼女を愛さなくなってしまったと

考えたに相違ないのだよ、(一息つき、一同を見回してから)思うに、君らは俺を嘘つきだと考え

るだろうよ、彼女が耐えた難局に耐え抜き、しかも尚且つ俺をあんなにまで愛し続けることが出

来たなんて、全く不可能だ、人間業じゃない、と。どんな女性だってあんなにも憐れみ続け、許

し続けるなんて、人間離れしている、と。そうだよ、俺は嘘などはついちゃいない、そしてもし

君らが彼女に会っていたら、俺が嘘など一切ついていなかったことを明瞭に了解するに違いない

のだよ。全てが彼女の顔の上に書かれているから、その甘美さ、愛情、同情と許しとがさ。(彼

は機械的にコートのポケットの内側に探りを入れた)待ちたまえよ、君達に見せよう、俺は常時彼

女の写真を持ち歩いている、(突然に彼はびっくりした表情する。宙を見詰めて、ポケットから

手を引っ込めた、静かに)いや、俺は写真を破ったんだ、後でな。もう必要ないから。「一息つく)

  (沈黙はまるで死に行く人を取り囲み、息を引き取るのを待っている人々が息を飲む様な空

気感である)

コーラ (声を殺してすすり泣く)ああ、ヒッキー、ああ、ああ。(顔を両手で覆って)

パリット (ラリーに向かって、低いがしっかりとした口調で)僕はマザーの写真を燃やしてしま

ったよ、ラリー。彼女の目はずっと僕を追い続けていた、その眼は僕が死ぬのを願い続けている

ようだった。

ヒッキー それは積り続けていたんだよ、前に言ったように。そう思うんだよ、全部の時間を振

り返って思う時にだ。俺は益々自分を憎んだよ、あんなにも俺を愛してくれた女性を世界で一番

素晴らしい女性に対して俺が犯した全ての悪事を思う時にだ。そう考えると俺は自分の姿を鏡に

写して見た際に、自分を激しく呪詛した。彼女への憐憫を感じると、俺は気が狂いそうだった。

俺みたいな周囲を破壊し続けたろくでなしが、そんな同情を感じていたなどとは、君等は信じら

れないだろうな。それで俺は夜毎に彼女の膝に顔を埋めて泣きじゃくった、喚きながら彼女の許

しを希(こいねが)った。そして勿論、彼女は俺を優しく慰めて、言った、気にしないで、テディ

ー、私は分かっている、二度と過ちを犯さないと。神様、俺は彼女を熱愛していた、が、同時に

そのパイプドリームを唾棄し始めてもいた、恐れもし始めた、曖昧宿に通うのをだ。彼女が簡単

に俺を許すから、時々彼女を許せなくなったのだ。俺は無理やり彼女を憎もうとすらした、自分

自身をそんなにも憎悪させる彼女を許せなくなってしまい。人が感じることのできる罪悪感には

限度があり、同時に、受け取ることの出来る許しや同情にも限度というものがある。人間は同時

に誰か自分以外の者をを罰したくなるものだ。俺も時折そう言う気分に駆られた、彼女が俺にキ

スした時に、彼女はわざと俺の感情を逆なでするのではないかと思い、まるで顔に唾でも吐きか

けられた様に感じてだ。だが、何時だって俺は理解してもいたさ、如何に俺がキチガイで、腐り

きっているかを。それがまた更に一層俺の自己嫌悪を募らせたのだ、君等は決して信じられない

だろうさ、俺のような善良で、お気楽者があんなに激しく自己嫌悪に陥ったなどとはね。そして

ハリーの誕生パーティーでここへ来る時が近づくにつれて、俺は殆ど発狂したんだ。俺は毎晩誓

い続けたよ、今度は絶対に悪さはしない、今度の機会こそ俺の最後の試練で、同時に彼女のそれ

でもあると。そして彼女は俺を勇気付け続け、言った、今度こそあなたは本気よ、テディー。き

っと克服出来るわ、私たち幸せになれる、と。彼女はキスしてそう言った時にはおれもそれを信

じた。それから彼女は寝につき、俺は一人で起きていた、眠れなかったからだし、彼女を邪魔し

たくなかった、何度も寝返りを打ち、ゴロゴロとして。この瞬間にすごく孤独を感じた、この場

所は何て平和なんだろう、古い仲間達と座り、酒を飲んで愛を忘れる、冗談を言い、笑い、歌

い、嘘をやり取りする。そして最終的に俺は此処にやって来るんだと知った。今度が最後なのだ

と。俺には戻る元気がない、又エブリンに許される。それはエブリンの心臓を破裂させることを

意味する。何故と言って、彼女を俺がもう愛さなくなったことだからだ。(一息つく)その最後の

晩、俺を狂気に駆り立て、彼女に開放への道を与えなくてはと思った。俺は寝室に行った。俺は

これが最後なんだと彼女に告げる予定だった。だが、それは出来ないことだった、彼女はぐっす

りと寝ていた。俺は思った、神よ、ただ彼女が起きなければいいのだ、彼女は知らないのだか

ら、そしてそれからヒラメキがあった、彼女の為の可能な唯一の出口は、と。俺は俺がいない間

の護身用に銃を与えたことを覚えていた。それは事務用の引き出しにある。彼女はどんな苦痛も

感じないだろうし、夢から目覚めることはないだろう、それで俺は…。

ホープ (警告を発する為にグラスでテーブルを叩き、非情で冷酷な憤激を込めて)俺たちを休ま

せてませくれよ、キリストの愛をもって。誰が一体気にするよ、俺たちは平和裡に終わりたい

や。  (彼等は全員、グラスでテーブルを叩き、合唱して呟く)誰が一体気にするよ、我々は平

和裡に終わりたいよ、と。モラン、刑事が静かに動いてカーテンの下がった入口から部屋の後ろ

に行き相棒のリープが座っているテーブルに着く。ロッキーがモランの離れたのを見てテーブル

から立ち上がり、テーブルの後ろから戻り、立って入口を見守る。モランはリープと視線を交わ

して彼に立ち上がるように合図した。リープはそうした。誰も彼らには気づいていない。グラス

でのテーブル叩きの合奏が終わる。ヒッキーはそれを聞いてはいないようだ)

ヒッキー (単純に)そうして俺は彼女を殺した。  (完全な沈黙が降りた。刑事たちでさえあ

っけにとられ、動かずに立っている)

パリット (突然に椅子の中で絶望し、力なく脱力している。奇妙な力を出し尽くした安堵の声

を低く上げる)僕も告白しましょうか、ラリー。もうこれ以上嘘をつく必要などないのだから、と

にかく、ご存知でしょう、僕はお金については少しも差し上げませんよ、僕は彼女が嫌いだった

からなんですよ。

ヒッキー (分かり易く)そしてそれから、俺には分かっていたんだよ、何時だって承知していた

さ、彼女に平和を与え、俺を愛する悲惨さから開放して自由にしてやる唯一の可能な方法がそれ

だったんだ。それは俺にとっても平和だった、彼女が平和になるということは。俺は何トンもの

罪悪感の重荷が肩から、いや精神から持ち上げられるのを感じたよ。覚えているが、俺はベッド

のそばに立って、突然に笑わなければならなかった。そうせざるを得なかったんだよ、エブリン

が俺を許すことを知っていたから。そして今でもはっきりと覚えている、俺が彼女に語りかけて

いるのを、まるでいつも俺が彼女に言いたかったかのように言葉を発しているのを、そうだ、分

かるだろう、もう君の好きなパイプドリームなんかどうすることもできないだろう、このバカ女

房が。(恐怖に駆られて急に口をつぐんだ、まるで悪夢から覚めたかのように、今自分が言った

ことを耳にしたことが信じられないといった態度で、どもる)いいや、俺は断じて…。

パリット (ラリーに、冷笑して)そうです、その通りなんですよ。彼女と、あのダメな運動、パ

イプドリームの結末は。えー、ラリー。

ヒッキー (狂乱の体で否定して)いいや、それは嘘だよ。俺は決して言わなかった…。ああ、神

様、俺にはあんなことは言えなかったぞ。言ったとしても、気が狂っていたんだよ。おいおい、

俺は人生のどんな物よりもエブリンを愛していたんだ。(一同に切れ切れに訴える)男子諸君、君

等は俺の旧友だよ、君らは何年間も古いヒッキーを知っていた、分かるだろう、俺は決して…。

(目がホープに釘付けになる)君は俺を誰よりもよく知っているね、ハリー。俺はきっと頭が変に

なっていたんだよ、そうだろう、長官。





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最終更新日  2024年05月16日 20時40分59秒
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