《神待ち》の流行とは……
新宿の歌舞伎町で深夜少女たちが「神」のような優しい男が出現するのを待っていると言います。それも一人や二人ではなくそれも数が次第に増えているそうです。伝聞形式を使ったのはテレビの番組で見ただけだからです。それも、東京の盛り場で流行しているだけでなく日本の大都市の繁華街で流行の兆しをみせている、とも。私は、しばらくの間、暗澹たる気分を拭い去ることができませんでした。こうした少女たちの大半が親、それも母親による長期にわたる虐待に原因があるらしい。信じ難い現象ですが、この報道が事実だとすれば、親たちは、大人たちは一体どうなってしまったのでしょうか?家庭での躾けに始まり学校教育、その他の社会教育の無力さ、弱体化はつとに叫ばれていましたが<売春婦>になったほうが無視されるだけでなく「虐待」を受け続ける境遇よりもどんなに良いかわからない、と先の番組で取材を受けた少女の一人が涙ながらに語りました。これが21世紀の文化国家・日本の生み出した本当の姿なのでしょうか?どうか、何かの間違いであって欲しい……。草加の爺はとうの昔に時代遅れの老いぼれに成り下がってしまったのか ― と自問自答しましたが諸般の世相を勘案してみますとこのような「忌まわしい珍流行」は驚くにも値しないこと、なのでしょう、きっと。しかし、老いぼれ、認知症、くたばり損ないその他、どんな罵詈雑言を浴びようと断じて、後に引きたくありません。こういう少女たちを生み出した社会、中でも大人たちの責任は重大です。特殊な親に特殊な子供が育った。そういうことでは決してないように感じられます。核兵器より、数倍恐ろしい事態ではありませんか?俺は、あたしは無関係です、とすまし顔で居られるとすると病膏肓に入るとはまさに、この事だと断じざるを得ないのです。あなたは、如何お考えでしょうか?