子供を褒めるのにもコツがある。
子供は褒めて育てるのが一番よいと誰もが異句同音のように申しますが、ただ闇雲に褒めればそれで良いというものでもありません。やはり物事にはコツというものがあります。と偉そうに書いておりますがなにも私自身が発見したり、発明したりした事柄ではありませんのでみんな子供たちから直接間接に教えられた結果なのです、タネを明かしますと。とにかくお座なりな褒め言葉を言ったところで、彼らは決してこちらの意図通りには動いてくれませんよ。ではどうしたら良いか、そうです基本は何時でもおなじですね、相手と正対し辛抱強く付き合うこと。言葉にすれば至極簡単なように聞こえますが、どうしてこれが中々に難しい。まあ大多数の大人や親御さんはこの段階で失格の憂き目をみる。そのくらいに難しく、また困難を伴う。大体において大人や親という者は自分の好き勝手な都合が何時の場合でも最優先と相場が決まっていますからね。肝心の対象である子供の「都合や勝手」に最後まで付き合うなどという芸当は出来ない。そのようなものが子供にあろうなどとは天から認めようとしないばかりか目の前の子供の存在すらその眼中にない、といった有様。こういった具合ですから、話しにもなににもなりようがない、本当のところ。少し脇道に逸れるようですがとても大切な点ですので念を入れて申し上げるのですがそもそも、自分自身という肝心要の相手に対してさえ、まともに正面から正対したことのないお人が、世の中には大勢いらっしゃるのですからね。その分身と見做している子供になど本気で、忍耐・辛抱・我慢の限りを尽くそうなどとは、実に想いもよらぬこと。表現が少しく回りくどいことになりましたが、それ程に困難なことで実行するのが易しくないと強調したいのです。辛抱や忍耐を支えるものは勿論深い愛情。これが無くては話が始まらないのですが折角の深い愛情も使い方を間違えたりすればもう台無しですね。かくのごとく幾多の障害を乗り越え、乗り越えしてようやく辿り着くのが子供の褒めどころであります。この様なプロセスを経て獲得された貴重な(客観的に見て取るに足らない些細な事柄かも知れませんが)「褒めどころ」は当の子供を心底から納得させるポイントとなる筈。ですから、そこを絶妙のタイミングで指摘し、上手に言葉で表現して肯定的に評価してあげれば、間違いなく受け入れてくれる。受け入れてもらえれば前向きでプラスの効果が得られる事は確実ですね。