「あじましい人生」その十九
「君 恋 い 酒」 お前の 細い 眉のよな 月が 今宵は 泣いている 生命の火花 燃やして 散った ふたりの 恋の 切なさ 重さ 飲めば 淋しい 君 恋い 酒よ (嗚呼 あ……) これが 別れと 白い 指 絡めた 先に 流れ星 暗い 宿命(さだめ)が 結んだ 縁(えにし) 解けて 切れたは 誰の咎やら 今夜も 縋る 酔い 幻に (嗚呼 あ……) 酔えば お前の 好きだった 恋の 唄など 口ずさむ 場末の 酒場 止まり木 寒い 空しく 探る グラスの 酒は ひとり 哀しい 君 恋い 酒さ (嗚呼 あ……) 「白 い 炎」闇の 中にも 花 開く 儚い 夜の 夢の 花 この世に 生まれて ただ 一度だけ 女の幸を あなたに 知った 白い 炎よ 今夜の 私 白い炎よ 私は 今夜冬の 夜空も 時として 打ち上げ 花火 燈(とも)します 泪(なみだ)の 雨降る 恋 細道は 闇の奥にも また闇 宿す 白い 炎で 照らしたいのよ 照らしたいのよ 白い 炎で暗い 浮世に 一筋の 光が 滲む 恋 灯り 嵐の 夜にも あなたを めがけ 駈けて 行きたい 命 賭けても 白い 炎の 愛する 女 愛する 女は 炎と 燃える 「哀愁の十和田湖」緑優しい 奥入瀬に 岩燕舞い 山女跳ぶ 恋の背並べて 行く遊歩道 添えないのです この世では 添えないのです…… 絡めた手と手 離さない あの世ではもう 二人は夫婦(めおと)ねえ聴こえます 瑠璃色の風 ああ 哀愁の 十和田湖よ二人出会った 春の日も 白樺林 降る雨に 黄色い花びら 散らしていたね 愁いに満ちた 横顔に 愁いが満ちて 微かに差すは 紅の刷毛 あえかに細い ほら昼の月見上げています 乙女の像が 霧が流れる 悲しみの 絡めた手と手 離さない あの世ではもう 二人は夫婦 ねえ 聴こえます 瑠璃色の風 ああ 哀愁の 十和田湖よ― 「プリンセス ギャル」 歌 柏原 芳恵 詞 しばた えつこ 曲 桜庭 伸幸 大空のかなたに いつも かがやく スターダスト さやかに 白い風にのせて いつも にじいろのドリーム ステキな贈りもの あたたかな心 ルンルン みどりあふれる森と花たち あまい香りにそえて いつも すこやかな愛 よあけの青い鳥 くちずさむ歌 愛の歌 足取りかるく 都会(まち)をゆく 私はプリンセス ギャル ちょっと気取ってお嬢さん ファンタスティックなフェアリーガール jumping , dancing , singing 「女 の 時 雨」何故そんな 哀しい顔を するのです 縋りつくよに 愁いを帯びて 黒い瞳が 問いかける 女は 名前を 夢と言う今日も 降る降る 女の時雨 ララ 男の胸に 濡れかかる シトトシトト後生です どうか愛して 下さいな 消え入りそうな か細い声で 男の心に 絡み付く 女は 闇の 蛍です嫌いなわけじゃ さらさら ないが ルル 過去に追われる 旅の鳥 スルルスルル人はみな やがては 死んでいくのです たとえ火花の 儚い恋も 女の胸で 永遠(とわ)に咲く 愛に身を投げ 悔いはない今日も 降る降る 女の時雨 ララ男の胸に 濡れかかる シトトシトト 「空 蝉 峠」夏の夜空の 稲妻か 儚い 夢の 後ろ影 初恋のよに 素直になれる 優しい胸が 欲しいのよ 風よ お願い あの人に 切ない 想い 伝えておくれ 今日も 君呼ぶ 空蝉峠 遠い夕日が 寂しいわゆらり揺れます 哀しさに 待宵草の 花の色 あなた恋しと 一人佇む 空蝉峠 通り雨 乙女 心を 焦がしても 空しく 消える 片恋灯り 頬にこぼれる 恋の 雫に うるむ二人の 愛の日々 「雨 の 海 峡」あなた辿った 旅のあと 恋の匂いに 誘われて やって来たのよ 女一人で 雨の海峡 未練の闇か 風も叫ぶよ 泪の声をあなた故郷 手にしたの 窓の曇りに 指で描く 女心の 問い掛け 空し 夜の海峡 明日も見えぬ 北に舵とる 愛への旅路日毎に募る 恋の火が 女は女 夢に哭く 夢に傷つき また夢 逃がす あなた一人に 命を託し 闇の海峡 渡るの今日は