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カテゴリ:作詩・物語
◆◇◆◇4◆◇◆◇
うさぎは竜神の背中に乗って 森の上を風のようにとびました ひとりぼっちのうさぎの目に 涙があふれました。 「森はこんなにも自分を包んでくれていたのに」 「ホラ、あそこにみんながいるよ」 竜神は言いました 見下ろしたそこに うさぎ達の心配そうな顔がありました たくさんの顔が見上げていました ひとりぼっちのうさぎの頬を 涙が流れ落ちました 「本当は誰も 私を裏切ったりしていなかったのに 私はこんなにも みんなに心配されていたのに」 ひとりぼっちのうさぎの涙は 竜神の背の上を伝って下に落ちて行きました そして ひとりぼっちのうさぎは 思い出しました みんなは自分を裏切ったわけではありませんでした 自分をを助けるために みんながついた嘘でした 本当は どこかで知っていたけれど 淋しがり屋のうさぎは みんながいない真実を 受け入れることができませんでした 心配そうに見上げていたうさぎ達は ひとりぼっちのうさぎの 涙の雨に打たれました 涙の雨に打たれたうさぎ達は空を飛ぶ力を与えられました 「嘘ついてごめんね」 ひとりぼっちのうさぎに言いました ひとりぼっちのうさぎは 泣けるだけ泣いて 目は真っ赤になってしまいました 「気づかなくてごめんね」 ひとりぼっちのうさぎはつぶやきました 「きっと 信じれる友達が見つかるから」 みんなはそう言って ひとりぼっちのうさぎにキスをしました そして 竜神よりも高く高い 空の遠くに 昇っていきました ◆◇◆◇エピローグ◆◇◆◇ ある森の奥深くに ひとりぼっちのうさぎがおりました ひとりぼっちのそのうさぎは 本当は自分がひとりぼっちではないことを知っていました ずっとひとりぼっちだったけれど まわりにたくさんの愛があることを知っていました そして、今日も 友達を探しに森の中を元気に跳びまわっていました 燃えるような真っ赤な瞳を輝かせて・・・ 注:レイの自作の物語です。転載・盗作・転用は禁止します お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.09.29 01:03:27
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