呼び寄せ高齢者って・・・
今日テレビで「呼び寄せ高齢者」について放送していました。遠方に住む親が高齢になって配偶者に先立たれて一人になったり、認知症になったりして、今までどおりの生活に不安を覚えた時に、子供が自分の住んでいる土地に親を呼び寄せることです。私にとっては初めて知った言葉でした。子供の住んでいる土地に住む・・・・その形もさまざまで、子供との同居 ・ 子供の近くに住む ・ 施設に入る 一見、「子供の側にいれば安心」と思いましたが、放送では「必ずしもそうではない」という実態が映されていました。親を迎えた当初は、今まで遠く離れてなかなか会うことができなかった親子は一緒にいられる時間が持てることで幸せでいられます。一緒に旅行に行ったり、買い物に行ったり、外食に出かけたり・・・・・でも、それは親がまだ元気で動ける状態だからできることです。日が経つにつれ一緒にいることで、その生活がお互いに負担に感じてくるようになります。子供には子供の生活があり、その生活を支えるために働かなければなりません。子供が仕事に行ったり、子供自身の時間を過ごしている間は親は家でお留守番です。知り合いも土地柄も分からない馴れない土地に来て、出かけることも他人と話をすることもなく、引きこもりになっていきました。そして認知症が酷くなり、それが子供の生活に重くのしかかってきます。番組では引きこもりのお年寄りが欝になってしまい、寝たきりになって食事も満足に摂らなくなってしまい、民生委員などが助けに行った。あるいは子供との生活を解消して、元居た故郷へ帰って行く・・・・という悲しいものでした。「親を助けたい」・・・と思って始めたことが、双方が不幸になってしまう。どうしてこんなことになってしまうのでしょう・・・と思いました。 私も数年前に親を呼び寄せました。そして自宅近くの施設に入所することになりました。私の中にもさまざまな葛藤がありました。「これで良かったんだろうか・・・両親は幸せなんだろうか・・・」年老いた親が今まで住んでいた家を処分して、親しい友人達に別れを告げて、私を信じて馴れない土地に来てくれたのです。私には親が不安なく暮らしていけるようにしなければいけない責任があります。だから私は毎日施設に通い、両親が困ったり悩んだり、我慢していることはないか、それを解消するために、施設にできないことで私にできることはないか探しているのです。それを見つけるたびに、一つ一つ解決していくようにしました。時には施設側や職員さんとぶつかることもありましたが、それも時間をかけて解決していきました。今では少しずつ「他人との絆」ができてきているように思います。母は職員さんと、ケアに住み外出が自由な父は、職員さんや施設外の地域の人たちにも親しく話ができる人も増えて、それぞれ交流を楽しんでいます。寿命は年齢順ではありません。もしかしたら私が先に逝ってしまうかもしれない・・・・両親がたとえ一人になっても困らないように、いろんな人との優しい絆を結んでくれるといいなあ・・・と思いながら、両親の元に通っているのです。