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清掃生活 * seinarukurashi

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2006.06.21
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カテゴリ:せいなるくらし
先日、ふと松下センセのことを思い出した。

松下センセとは、作家の松下竜一氏のこと。
彼の名を知っている人は少ないだろう。
私の人生が大きく変わるきっかけとなった作家である。

そうか。センセが亡くなって、もう2年経つのか。
調べてみると、6月17日が命日だった。
人間というものは、大事なことを大事なときに思い出すもんだなあ・・・。

はじめてセンセの本に出会ったのは、病院のベッドの上だった。

それは、「ルイズ・父に貰いし名は」という文庫本。
それがきっかけで、私はその本に登場する「ルイズ」こと伊藤ルイさん(大杉栄と伊藤野枝の四女)に、会いに出かけた(それ以降、ルイさんとは親しくさせていただいたが、1996年6月28日に亡くなってしまった)。


「ルイズ」の後、センセの本に再会したのは、なぜかパリの日本人向け書店にて。そこに平積みされていた、「文藝」という雑誌に載っていた「狼煙を見よ」を読み、私の人生が変わってしまった。

過激な作品もたくさん書かれたセンセだったが、私が一番すきなのは「潮風の町」。
今はもう絶版になっているのだろうか。
私があこがれてやまない「ちいさなくらし」「せいなるくらし」の原点は、たぶんセンセの思想の元にある。

センセの作品には、「ちいさなくらし」を愛するがゆえに、ちいさいものを踏み潰す「大きな力」と闘うテーマが多い。

「豆腐屋の四季」「風成の女たち」「暗闇の思想を」どれも胸を打たれる大好きな作品だ。
その後、センセとは何度もお会いする機会があった。
お会いすれば照れくさくて、肝心なことは何も話せなかったような気がする。

でも、センセとの出会いが、今も私の中で生きている。
センセを通して出会ったたくさんの人たちは、今も私を生かしてくれている。
そんなことを、突然昨日、思い出した。

明日は私の誕生日。
大事な時期に大事なことを思い出させてくれたことが、私にとっては最大のプレゼント。

今日は「潮風の町」をバッグに入れて仕事に行こう。








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Last updated  2006.06.21 09:07:55
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