カテゴリ:せいなるくらし
昨日は休みをとり、夫と二人で出かけることに。
夫の事務所のすぐそばの劇場で、平田オリザ作・演出の芝居がかかるというよで、前々からチケットをとっていたのだ。 見たのは「ソウル市民昭和望郷編」(劇団青年団)。 平田オリザの芝居を見るのは、私も夫もはじめてのこと。 うわさにはきいていたけど、あの脱演劇的(?)様式には驚きました。 まず、開演前からなにげに舞台で芝居がはじまっていること。 (まだお客さんがわさわさ入ってきているのに、舞台では役者さんが二人出てきて会話なんかしている) そして客席に当然のようにお尻を向けて演技する役者さんたち。 (役者さんの顔、見えないよ~~) 同時に複数の人の会話がかぶさり、時としてきこえないほどの小さな声で会話が進む。 いわゆる演劇的なよく通る抑揚のついた発声ではなく、ふつうに近い発声?である。 BGMも一切なし。 舞台では特に大きな事件もおきないし、ひたすら居間での家族の会話のみで進行する。 こうなるとお客さんはまるで、ある時代のある一家の日常をこっそりそのまま見ている感覚である。 しかしこれが、怖い!! 本当に怖い。 普段のなにげない会話の中に潜む暴力性というか。 悪意のない差別意識というか。 善意からの支配というか。 それらがなんでもないお茶の間からわき立ってくる様子が、じわじわと不快で不気味。 戦争や差別やいじめに至る小さな芽は、こういうなにげない日常会話の中にあるということを、まざまざと見せつけられる。 終演後、夫にどうだった?ときくと、黙って首を振っていた(笑)。 どうも彼にはヒットしなかったみたい。 しかし私には、「すっっごくおもしろかった!!」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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