カテゴリ:せいなるくらし
本日、ついに最終回。
メタボラとは、以前の日記にも書いたけど、朝日新聞朝刊の連載小説。 今朝、新聞をめくるときから、「ああ、終わっちゃうんだ。最後どうなるんだろう・・・」と心の準備。 心して読みたかったので、子どもたちを学校に送り出した後で、ゆっくりと読む。 最後のほうで、不覚にも涙。。。であります。 生きる目標を失っている無気力な若い男(主人公)。 そんな彼が「ほんとうに生き始める」きっかけになったのは、「愛する誰か」のために自分の力を使いはじめたときだ。 彼の場合その「誰か」とは、親とか子とか恋人とかではなく、たとえば安い賃金で工場に出稼ぎに来ていた同僚の中国人だったり、ヤクザに瀕死の仕打ちを受けたどうしようもないホストの友だちだったりする。 そのへんがこの小説のおもしろいところだ。 ギンちゃん(←主人公)、すごいよ。 キミは仲間を救って、そして自分を救ったんだ。 キミが救った仲間は、間違いなく死んでしまうだろう。 そしてキミは、間違いなく刑務所に入ることになるだろう。 それでもキミは、今、人生の中で一番潔くきらきらした顔をしている。 それはたぶん、そんな「あれやこれや」をぜんぶ自分でひきうけて生きる決心をしているからだ。 「メタボラ」は、私が読んだ桐野夏生の中で最高作だ。 単行本の出版が、今から楽しみです。 (で、夕刊の連載小説「悪人」も今日が最終回。もおお楽しみだよお) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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